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ワイン法が塩尻市桔梗ヶ原に与える影響

投稿日:2018年11月2日 更新日:

2018年10月30日、国税庁は日本ワインにおける新たなルールを制定した。

これはワイン法と呼ばれるもので、早い話が生産者は産地と原材料をより明確にし、偽りなく表示して販売しなければならないというもの。

消費者からすればありがたいルールになったものの、生産者からすると色々と制限が加わったことで業務がマイナスになることも…。

中信においてワインで有名な塩尻市桔梗ヶ原は、今や日本に留まらず世界からも高い評価を受けているけど、ワイン法によってありとあらゆる表記を変更せざるを得ない状況に立たされている。

果たしてワイン法は塩尻市にとってプラスなのかマイナスなのか?

メディアや新聞などからワイン法が塩尻市にもたらす影響をまとめてみましたよっと。

新たに制定された“ワイン法”とは?

わかりやすくするためにワイン法という表記を用いましたが、正確には「果実酒等の製法品質表示基準」のルールを改定しましたよーというお話。

なお、本記事では“ワイン法”で統一する。

では、新たに制定されたワイン法の内容はどういったものなのか?

【果実酒等の製法品質表示基準】(かじつしゅとうのせいほうひんしつひょうじきじゅん)
日本国内で製造されるワインには、国内で収穫したぶどうの実を使用して製造した「日本ワイン」や、輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料としたものなど様々なワインがあり、その違いが分りにくい等の問題がありました。
「日本ワイン」の中には、近年国際的なコンクールで受賞するようなものもあることから、「日本ワイン」の国際的な認知向上や消費者に分かりやすい表示とすることで商品選択が容易となることを目的に、国税庁において、平成27年10月に「果実酒等の製法品質表示基準」(国税庁告示第18号)が定められ、平成30年10月30日から適用されます。
この表示基準では、「日本ワイン」を定義し、その他の国内製造ワインと明確に区別するため「日本ワイン」と表示することを義務付けているほか、地名を表示できる場合、ぶどうの品種を表示できる場合、ぶどうの収穫年を表示できる場合のルールや表示方法を定めています。

引用:国税庁

何となくわかるけど、具体例がないとイマイチという方がほとんどかなと。文字だけではなかなか把握できないケースは珍しくないので…。

ワイン法によって大きく変わるのはラベル

SBC『ずくだせテレビ』がわかりやすく解説していたので、そのシーンをお借りする。

従来とルール改定後の違い@11/1OA「ずくだせテレビ」より

従来のワインは産地や酒造地が非常に曖昧で、例えば塩尻市産の国産ワインとして販売されていたとしても、実際は県外で製造されているものというケースがあったわけ。

しかし、この度制定されたワイン法によって、国産ワインとして販売するためには写真のように偽りのない明確な表記にしないと販売不可になった。

なお、ワイン法が制定された理由は日本ワインのブランド力をさらに高め、世界と戦えるワインにするためだそう。

私たち消費者からすれば表示が明確になったことで購入する際の煩わしさがなくなり求めやすくなったものの、ワイン生産者からすると正直しんどいルール改定になった模様…。

 

ワインで有名な塩尻市桔梗ヶ原への影響

アルプスワイン製品の変化@11/1OA「ずくだせテレビ」より

上の写真は塩尻市が誇る人気ワインメーカーのアルプスの製品。

従来は『白馬の想い出』として売られていたものの、ワイン法によって『白銀の想い出』に変更せざるを得なくなったそう。これは信州産であることに間違いはないものの、白馬産のブドウを使用していないのでラベルに白馬と表記できないことが理由。

実はこのラベル表記の変更は結構なダメージのようで、塩尻市のワイン生産者はかなり苦しんでなんとか打開策を打ち出すことに成功したらしい。、

言うまでもなく塩尻市の桔梗ヶ原は世界のワイン辞典にも載るほどのワイン名産地となっているわけだが、問題となったのは桔梗ヶ原の範囲

はたしてどこからどこまでが桔梗ヶ原なのかを明確にしないかぎり、塩尻市の桔梗ヶ原ワインとして売り出すことが不可能になった。

これに立ち上がったのが塩尻市役所。

半年をかけて桔梗ヶ原の範囲を歴史資料などから明確にし、下の写真のように特定することに成功したとのこと(あっぱれ!)。

塩尻市桔梗ヶ原の範囲@11/1OA「ずくだせテレビ」より

桔梗ヶ原は塩尻駅を中心とした約10平方キロメートルと決まったわけだが、この度の決定により残念ながら範囲外になってしまった桔梗ヶ原表記のワインはルールどおり表記を変更せざるを得なくなった模様。

例えば、塩尻市の桔梗ヶ原ワイナリーとしては老舗の五一ワインは、自社製品に『桔梗ヶ原物語』というワインがあったものの産地が松本にも及んでいるため、新たに『五一物語』に変更して対応するとのこと。

前述のアルプスワインもそうですが、上手く表記を変更することで対応しているワイナリーは多い様子。

よって今回のワイン法における打撃はそこまで大きなものではなかったと言えるかもしれない。

 

世界のワイン事情を知ると日本ワインのレベルがわかる

ワインと言えばヨーロッパが有名だけど、実は海外のワイン法は以前からとても厳しいものだったらしい(ワイン通なら常識なのでしょうが)。

つまり世界のワインは厳しい規制を守ったものだけが産地名を名乗れるようで、それが法律になっているとのこと。この時点でいかに日本ワインにおける規制が緩く、表記が曖昧であったがわかる。

今回制定されたワイン法は世界からしたらごく当たり前のことで、クリアしなければならない最低基準という言い方もできるかもしれない。

日本ワインは世界から高い評価を受けるためには、今回のワイン法制定が欠かせなかったというわけ。

塩尻市桔梗ヶ原のワイナリーとしては気苦労が絶えないかもしれないが、すでに高い評価を受けているので更にブランド力を高めるいいキッカケと捉えて極上のワインを製造して頂きたいなと。

ちなみにワインは五一わいんの白が好き。
CMはアルプスワインでヨーロレイヒー。

 

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