2018/11/8号の市民タイムスを読んで感動。
長野県木曽川上流にある支流「水木沢」において、ヤマトイワナの産卵シーンの撮影に成功したらしい。
言うまでもなくヤマトイワナは絶滅危惧種に指定されそうな非常に貴重な川魚。
そんな貴重な魚の貴重な産卵シーンの撮影に成功なんてもう偉業。
ということで、木曽水木沢におけるヤマトイワナへの取り組みをはじめ、貴重な産卵シーン撮影などの情報をまとめた。
目次
ヤマトイワナとは?
ヤマトイワナ
形態・特徴
エゾイワナ(アメマス)、ニッコウイワナ、ゴギと亜種関係にあるのが本種。 体側に赤や黄色の斑点があり、白斑が散在しないことなどが特徴。その他
環境省のまとめたレッドデータブックでは「絶滅の恐れのある地域個体群(LP)」に指定されており、保全の対策が急務とされる状況になっている。引用:WEB魚図鑑
巷では絶滅危惧種として噂されているようだけど、正確にはその一歩手前の状態。
いずれにしても私たち人間が注意深く接し、対応しないかぎり滅びる可能性がきわめて高い川魚だ。
木曽水木沢で撮影された貴重な産卵シーン
木曽にてヤマトイワナ産卵シーンの撮影に成功したのは水木沢天然林の管理人・久保畠賢一さん。
水木沢で撮影されたヤマトイワナは木曽川水系の在来種で警戒心が非常に強く、泳いでいる姿を撮影するのも困難なレベル。しかし、木曽川在来のヤマトイワナの産卵期に合わせて5年前から撮影を試み、ようやく念願が叶ったのだという。
なお、産卵シーンが撮影された場所は、市民タイムスで報道された地元の住民や中学生らが設置した産卵場の近辺とのこと。
久保畠さんは「追い求めていた瞬間をようやく捉えることができた」とコメントしていたけど、こればかりは飛び跳ねて宇宙へ行ってしまうくらいに嬉しかったに違いない。
肝心のヤマトイワナの産卵シーンの一部写真がこちら。

撮影された貴重なヤマトイワナの産卵シーン
市民タイムスの記事によるとヤマトイワナの産卵シーンの撮影に成功したのは、
2018/10/29午後3時ころで、水深10センチほどの浅瀬に水中カメラを沈め、撮影したという。盛んに産卵床を掘る雌と、周囲を警戒しながら、時折後方から寄り添って産卵を促す雄の体は繁殖期を示す朱色の「婚姻色」に彩られ、雌は雄が寄り添った瞬間に口を開けて産卵し、雄も口を開けながら放精する。侵入を試みる別の雄にかみついて追い払う様子も捉えた。
引用:市民タイムス 2018/11/8号
ここまで貴重なシーンを動画撮影に成功したともなると、渓流好きな釣り人は見たくて仕方ないはず。川魚が大好きな私としても是非とも撮影されたフル動画をみたい。
動画は公開していただけないのかな・・・?
ただ、この記事はヤマトイワナから感動を与えられたと共に、自然破壊や絶滅危惧を促しているのは紛れもなく人間であることを痛感させられた。
木曽で釣りをする際の心構え
源流釣りやヤマトイワナを狙っている釣り人からすれば既にご存知だと思うけど、水木沢天然林は禁漁区となっていて在来種であるヤマトイワナの繁殖に尽力している。
長野県だけでなく日本各地で絶滅危惧種に指定されそうなヤマトイワナを、何とかして守っていこうとする活動はありがたいことだし、釣り人も自分の欲求ばかりだけでなくしっかり線引きをする心構えが必要だと思う。
ここ長野県には素晴らしい源流が溢れているものの、禁漁区と知りながら平気で釣りをする輩がいる。なかにはその様子をわざわざネット上(ブログなど)にアップする者もいるが、どういう神経をしているのかと。
禁漁区に指定されるにはそれなりの理由が必ず存在する。
言うまでもなくその理由にヤマトイワナの保護も含まれているわけだが、そんなことはお構いなく自己満足のために禁漁区へ立ち入りヤマトイワナを釣る行為は厳しく罰するべきではないかと真剣に思う。
ルールすら守れない人間はそれなりの人間。釣具と一緒に言い訳を持ち歩く。
貴重かつ美しい源流、そしてそこに暮らす魚たちを考えた上での釣りを考える必要がありますわな。
日本の清流からヤマトイワナなどが消えないことを祈るばかり。
【2019/10/8追記】ヤマトイワナの産卵場造り進行
市民タイムス 2019/10/8号の記事によると、木祖村は木曽川水系在来のヤマトイワナの純系を保存することが目的として、水木沢天然林内の小川にヤマトイワナの産卵場造りに着手したとのこと。
この取り組みによって少しでも木曽川のヤマトイワナが増えることを願う。