2018年10月、塩尻市立自然博物館で非常にユニークな作品展が開催された。
切り紙作家・百瀬達也さんの『紙の昆虫展』だ。
古い記事だけど本当に感動したので再掲。
百瀬達也さんが作り上げる“紙の昆虫展”。
作品はフリーハンドで切り抜いた一連の展開図を自由に折りたたみ、触覚や手足の繊毛に至るまで本物そっくりに作り上げていく。
これぞ神業。
また見たい展示会だわ。#百瀬達也#紙の昆虫https://t.co/1Tyag7Z7nz— ショギョウムジョウ | 信州の飲兵衛ブロガー/ライター (@shogyomujo_n) May 23, 2020
百瀬達也さんはフリーハンドで紙の昆虫を作りあげる切り絵作家。生み出された昆虫たちは、非常に繊細でいまにも動き出しそうなものばかり。
彼の作品を見て感動しまくりだったので、当記事では塩尻市立自然博物館で開催された紙の昆虫展「百瀬達也の世界」の感想をまとめた。
百瀬達也とは
百瀬達也(ももせたつや)さんは、長野県塩尻市在住の切り絵作家(1995年7月28日生まれ)。
手法は独自性にあふれており、フリーハンドの展開図を切り出すと、それを立体的に折りたたんで昆虫(作品)を作り上げる。
幼い頃から手先が器用で、小学校3年生の頃から、昆虫図鑑を見ながらハサミで好きな虫を切り出す切り紙をはじめます。高学年の時に、辰野町にある昆虫博物館でもらった紙でできた立体のショウリョウバッタに魅せられ、同じものを作りたい一心で切り紙を折って工夫を凝らしたのが現在のスタイルの作品づくりの最初だそうです。
彼が生み出した紙の昆虫は注目を浴び、いたるところで作品展が開催されている。
昆虫の切り絵を作り出したキッカケ
百瀬達也さんが切り絵で昆虫を作るようになったキッカケは、小学生のときに博物館でもらった「バッタの切り絵」だという。
母ひとみさん(43)によると、達也さんは幼い頃から観察力があり、絵を描くのが得意だった、という。切り紙のきっかけは小学6年の時。辰野町の博物館でもらった立体的なバッタの切り紙を眺めているうち、「同じものが作りたい」と意欲をかき立てられたそう。
また、小さな頃から好んで読んでいた「ファーブル昆虫記」や「昆虫図鑑」も影響しているらしく、師匠はJ・H・ファーブルなのだそう。
こうして彼は、切り絵作家としての道を歩んでいくことになる。
昆虫の切り絵が生み出されるまでの流れ
百瀬達也さんの昆虫の切り絵が生み出されるまでの流れは以下のとおり。
- ①:使用する材料は色画用紙とハサミとのりの3種類のみ
- ②:展開図をフリーハンドで切り抜いていく
- ③:展開図を自由に折りたたむ
- ④:昆虫の触覚や手足の繊毛に至るまで本物そっくりに作り上げていく
- ⑤:完成
その完成度は言葉を失うほどハイクオリティ。
はさみとのりだけで、触角や脚のトゲの細部まで表現している。作品はすべて一枚のつながった紙でできており、どのパーツも後からくっつけた跡がない。
このように彼の作品は、あらゆる”極み”を体感できる。
【レポート】紙の昆虫展「百瀬達也の世界」@塩尻市立自然博物館
ここからは、塩尻市自然博物館で開催された「百瀬達也の世界」のレポート。
実は塩尻市立自然博物館を訪れたのはこの日が初だった(いい思い出)。
入館料は大人300円(20名以上の団体は240円)、小・中学生は無料。300円を払って受付を済ませると、パンフレットなどが配布された。
塩尻市立自然博物館のパンフレット
お目当ての「百瀬達也の世界」のチラシは以下。
「百瀬達也の世界」のチラシ
チラシからもよくわかる作品の繊細さ。モノづくりをここまで細かく丁寧に具現化できる人はそうそういない。
ワクワクとドキドキが止まらないなか、会場に足を踏み入れた。
そして私は、彼が作り出す”極上の世界”にとことん魅了されることになる。
想像以上にリアルな”紙の昆虫たち”
百瀬達也さんの全作品を閲覧した感想をストレートに言おう。
こちらの頭がバグるほどのクオリティ。これがたった300円で見られるなんて安すぎるし幸せすぎるわ。
極上の作品たちは是非ともここに掲載したかったのだが、残念ながら博物館内の撮影はNG。よって以降は私が目で見て感じたことを綴っていく。
百瀬達也さんの作品を見てまず感じたのは、あり得ないほど繊細ということ。
そして、紙そのものが非常に喜んでいる(生きている)ように思えた。
紙の昆虫たちはすべてフリーハンドで作られている影響もあってか、人の温もりがどこまでも感じられる。さらには優しさや上品さも漂っている印象をうけた。
紙の昆虫たちは想像以上にリアル。
メインの昆虫だけでなく、脇役の葉っぱや枝までこだわりぬかれている。
これを完成させるなんて、恐ろしいほどの集中力・忍耐力・情熱がないとムリだ。
百瀬達也さんは想像を絶するレベルでモノづくりしてるのだなと。
作り手のなんたるかを教えられた気がした。
出典【1】:★予告★「里山の昆虫(なかま)たち」百瀬達也作品展 / しあわせ信州
百瀬達也さんは将来有望な切り絵作家
百瀬達也さんは塩尻市がほこる有能な若きクリエーター(1995年生まれ)。
切り絵の技術はさらに高まっていくだろうし、今後はあらたなエッセンスも吸収していくと思われる。だからこそ、現状の作品を圧倒するような作品が生み出されるのではないだろうか。
ここ数年は作品展を開催していないようだが、いずれ素晴らしい作品で魅了してくれるに違いない。
「百瀬達也の世界」はワクワクと感動の連続だった。
彼の作品集が書籍になったなら、私はすぐさま購入するだろう。
まとめ
百瀬達也さんの昆虫の切り紙には恐れ入った。
まさかあそこまでリアルな切り絵をフリーハンドで作り上げるとは。
作品の設計図は頭の中というのも素晴らしい。
彼の作品はもはや十分すぎるクオリティに達しているが、ご本人はまだ納得していない様子。今後はもっとリアルに近づけたいと試行錯誤しているそうだ。
一刻も早くあなたの新作が見たい。
立体切り絵に興味津々の人向け
おまけ:塩尻市立自然博物館で購入した「3D立体ペーパーパズル」に満足
最後に塩尻市立自然博物館で売られていた「3D立体ペーパーパズル」を組み立てた様子をば。
紙の昆虫たちに感動した私は、その流れで窓口で売られていた「3D立体ペーパーパズル」を購入(苦笑)。
ちなみにこのペーパーパズルは、百瀬達也さんと無関係。似通ったジャンルということもあって、衝動買いしたオチでやんすよ…。
今回購入したのは「カマキリ」と「スズメバチ」の2点(特典で絵はがき2点も付いてきた)。
では、「カマキリ」の組み立てだけ掲載しておこう。
開封の儀。
小学生のときに熱中したプラモデルを思い出す。
あのときはガンダムのBB戦士にハマっていたっけか。
組み立ては思っていたよりも簡単。
だいたい10分くらいで完成したかな?
腕のパーツでやや苦戦したものの、スムーズに組み立てることができた。
これはこれで紙の魅力を堪能できる商品。
衝動買いではあったものの、買って正解だったかもしれない。
ペーパーパズルが気になった人向け
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