塩尻市界隈には数多くのそば屋がある。そのため、お気に入りの店舗がないとどこへ行くべきか迷っちゃうんだなこれが…。
がしかし、私なんぞは一切迷わない。
なぜなら愛してやまない蕎麦屋があるから。
その店舗は洗馬地区にある「芳香庵みのる」。
これまでに数多くのそばを食べてきたけど、個人的にもっとも旨いと思った蕎麦は「芳香庵みのる」の信州ひすいそばなんだよね。
はじめてそれを食べた時、「これぞ本物のそば!」と感動したことを今でも鮮明に覚えている。
ということでこの記事では、塩尻市洗馬にある「芳香庵みのる」と信州ひすいそばの魅力についてまとめる。
塩尻市郊外にある“隠れたそばの名店”
芳香庵みのるは塩尻市洗馬にある小さなそば屋。付近はほぼ住宅地なので何もないが、少し移動するとかつてはバス釣りのメッカだった「旧沓沢湖」やマトンが有名な「安塚精肉店」がある。
ここ中信地方にはそばの名店が点在しているが、芳香庵みのるの店主ほど蕎麦への情熱を注ぐ人物はいないんじゃないかな(後述)。
同店は「信州そば切り」認定店であり、長野県が新たにブランド化を試みる「信州ひすいそば」が食べられる貴重な店舗でもある。
また以下をモットーに本格的なそばを提供している。
1)信州産そば粉のみ使用
2)すべて手作業の純手打
3)つなぎゼロの十割そば
これだけでも十分なこだわりを感じるけど、芳香庵みのるは基本的に注文が入ってからそばを打って提供する。
つまり、生きている本物のそばを食べられるというわけ。
しかし、立地の影響か有名店の陰に隠れてしまうんだよな(実にもったいない)。よって、塩尻市郊外にある“隠れたそばの名店”というべき存在なのである…。
店主は本物のそば好き
前述したが「芳香庵みのる」の店主はガチのそば好き。
言葉が悪くなるが、それはもう異常ってくらいそばへの情熱が強く、休日には全国のそば屋を巡って研究・修行するほど。
しっかりと蕎麦と向き合っているし、努力家なんだよね。そばにおける知識を包み隠さず教えてくれるし。
店主と楽しく蕎麦の会話ができるのも芳香庵みのるの魅力と言っていいかもしれない(話が面白いしそばの勉強になるのでつい長居してしまう)。
また、店主が提供するそばは一切の妥協がない。
風味はもちろんコシを殺さぬよう、細心の注意を払って打つ・ゆでるのだ。
これぞ蕎麦屋の鑑。
そばに対してどこまでも真剣なのだ。
いや、そこまでガチだと敷居高くね…?
芳香庵みのるは半端なものを提供しない。
それは店主が常に真剣だからだ。
あ、でも文章にするとかなーり硬いイメージになってしまったかや…?
なかには「本格的なそばを提供する店なのはよくわかったけど、敷居が高いから行きづらい…」と構えてしまった方もいるかもしれない。
がしかし、その点は心配ご無用。
店内は非常に居心地が良くストレスを感じずに飲食できる空間。それに店主は私たちには一切厳しくないwむしろ優しすぎるくらい。
そばについて知りたいのなら店主に話しかけてほしい。どんなに初心者でもわかりやすく丁寧に教えてくれる。
また、飲食に集中したい方も心配することなかれ。テーブルには「美味しいそばの食べ方」が置かれている。それを参考にすれば誰でも美味しく食べるお。
いや〜店主の人柄の良さが随所で見られる。
誰もが美味しく食べれるよう配慮している時点で敷居は高くないのだよ。多くの人に蕎麦の魅力を知ってほしい現れさ。
芳香庵みのるのメニューラインナップ
芳香庵みのるのそばはすべて三たての十割(「三たて」とは“挽きたて・打ちたて・ゆでたて”のこと)。
メニューラインナップはシンプルだが、ひとつひとつのクオリティが極めて高い(※ そばメニュー①参照)。なお、メニューは次のとおり。
- 信州ひすいそば
- 信州そば
- とうじそば
- かけそば
- 天ぷら
あとはビールやお酒などのドリンクが置かれているのみ。以前は一品料理もやっていたみたいだけど、今現在はやっていない印象(予約して頼めばやってくれそうだけど=要相談)。
もし飲む予定なら天ぷらでチビチビ行くことをおすすめする。
どこでも食べられるわけじゃない「信州ひすいそば」
私は芳香庵みのるに来ると、決まって「信州ひすいそば」と天ぷらを注文する。
それは当然ウマウマ+感動するからなんだけど、信州ひすいそばを食べられること自体がありがたいことなのよ。
信州ひすいそばは一般的な信州そば(信濃1号)に比べ、そば粉が緑色をしていて香り高い。さらに提供できるのは「信州ひすいそば振興協議会」の会員のみという貴重な蕎麦なわけ。
みのるさんやっぱゴイスーだわw
信州ひすいそばの打ち方を習得したい人は数えきれないほどいる。無論、それは中信地方も同様だ。
そんな彼らがこぞって芳香庵みのるへと研修にやってくるんだからね。店主はそんじょそこらの蕎麦打ちとはワケが違うぜ。
絶品のそばと天ぷらで昇天ッ!!
それでは芳香庵みのるの「信州ひすいそば」と「天ぷら」の食レポと行きますか。
いつものようにお決まりの2品を注文し待つこと数分。絶品の信州ひすいそば(上の写真)と天ぷら(下の写真)テーブルに到着しましたよっと。
いずれもウットリするほど美しい。見た目でも楽しませてくれるってもう反則よな。
では先に何も付けない状態のそばから。
ズルッ。
うむうむ。信州ひすいそば特有の香り高さがとても心地よい。コシも抜群で喉越しも最高だ。
続いては塩をつけて味わう。
ズルッ。
そばの風味に加わる塩というアクセント。極めてシンプルなはずなのに奥深い味わいを感じるのは何故なのか…。
やはり塩はそばの良さを引き立てるね。あ、でも不味いそばだと決してそのようにはならないけども。
要するに「芳香庵みのる」のそばは本物ってこった。
お次は醤油&大根おろしで味わう。
ズルッ。
醤油の風味と大根おろしの甘さ・辛さ・食感はそばをどこまでも引き立ててくれる。そしてあっさり食べられるのも魅力だなあ。
やはりここの信州ひすいそばは旨い。
そしておつゆで頂きませう。
ズルッ。
ズルズルズルッ。
そばの旨さは十分にわかっている。そこに絶品のつゆが加わると、もう止まらないわけだ。
ここのつゆは蕎麦そのものを楽しむためにも、甘ったるい味付けにしていない。
さすがとしか言いようがないんだよなあ。
もうね、どんな食べ方をしても旨いの。
あっという間に平らげてしまった。
最後に天ぷらを。
こちらも素材そのものの風味・食感を殺さない絶妙な揚げ方。
油っぽさは一切なく衣はサクサク。そばとの相性が良いので是非ともお供として注文してほしいなと。
いやーいつ食べても旨い。旨すぎる。
「芳香庵みのる」のそばはいつだってムラがない。完璧な状態で出てくる。
こんな旨い蕎麦を食べられる幸せ。
ありがとう、みのるさん。
【総括】塩尻市洗馬にはそば神がおるぞよ
芳香庵みのるの店主が持つ技術は疑いようがない。そして強い情熱があるからこそ、絶品そばが生まれるのだなと。
なかには自らそば粉を持参して意地悪する人もいるらしい。それでも店主は快諾して難なく上品なそばを打ってみせる。
“そば神”にゃ敵わんぞよ。本物なんだからな。
ということで芳香庵みのるは本物のそばを堪能できる貴重な店舗である。まだご存知ない方・そば通の方はぜひ塩尻市洗馬へGO。
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