松本城のお掘りに暮らす白鳥「松ちゃん」をご存知だろうか?
松本城に一度でも行ったことがある方なら、名前を知らずとも白鳥の存在は把握しているはず。数羽いる内の母親にあたるのが松ちゃんだ。
古い記事ですが、修正を加えたので更新。
去年亡くなった松本城の白鳥「松ちゃん」についてのまとめ。
現在は子供たちが元気に暮らしているけど、やっぱりさみしいよね。。
天国で彦ちゃんと元気にやっててほしいな。#松ちゃん#白鳥#松本城https://t.co/e6h32KRKhQ
— ショギョウムジョウ | 長野県中信メインのローカル情報ブログ (@shogyomujo_n) February 20, 2020
そんな松本城の“アイドル”として愛された松ちゃんが、2019年7月20日午後亡くなった。
この記事では彼女のあれこれをまとめる。
松本城の白鳥「松ちゃん」とは
「松ちゃん」は松本城のお掘りに住んでいたコブハクチョウ♀。平成11年の太鼓門復元を祝福して、滋賀県彦根市の国宝「彦根城」からオスの彦ちゃんとつがいで寄贈された。
2羽で仲良く泳ぐ姿は多くの観光客から親しまれ、写真を数えきれないほど撮られている。事実、「松本城 白鳥」で画像検索すると、そのほとんどは彦ちゃん・松ちゃんのつがい写真だ。
彼ははたしてどれだけの人々を笑顔にしたのだろう。
しかし、松本城にやってきてから十数年後の平成23年。彦ちゃんが先に逝ってしまう。
松ちゃんはその後、子供たちと暮らしてきたが、2019年7月20日午後、衰弱による死亡が確認された(松本城で19年間暮らす)。
2020年2月現在、松本城のお掘りには松ちゃんの子供たち(3羽)が暮らしている。
数年前から衰弱の進行が見られた
松ちゃんの衰弱は急激にはじまったものではない。亡くなる数年前から、体の衰えが目立っていたようだ。
松ちゃんお気に入りの休憩場所は、松本城「二の丸御殿跡東」。きっと多くの観光客が、そこで休む松ちゃんを目にしたことだろう。
がしかし、彼女はいつしか二の丸御殿跡東の急斜面を登れなくなる。その後は水面で休むことが多くなった。
私なんぞが松本城を散歩したときは、決まって同じ場所で体を丸めて休んでいるか、水面を悠々と泳いでいたのに…。
時は残酷でもある。
松本城を撮影する人々にとって松ちゃんら白鳥の姿は、非常に可愛らしく目立つ存在だった。そう、写真に収めずにはいられないのだ。
しかし、松ちゃんの衰弱が目に見えるようになり、写真撮影をためらう人々が増加。誰もが彼女の心配をするようになる。
食欲が落ち、体力が減っていることは明らかだった。
2019年7月20日、松ちゃん永眠
2019年7月20日午後1:30。観光客が様子のおかしい松ちゃんに気づく。職員があわててボートで救助に向かったが、間もなくして死亡した。
松本保健福祉事務所の職員が検死を行ったところ、特に目立つような病気は発見されなかったという。
コブハクチョウの寿命は20歳~30歳。松ちゃんの年齢は23歳だったことから、「衰弱」と判断された。
なお、松本城の公式HPでも白鳥「松ちゃん」の死亡が公表されている。
天国でも彦ちゃんと幸せに暮らしていたらいいな。
松本に来てくれて本当にありがとう。
松本城の白鳥を大切に
松ちゃんが亡くなったことは非常に残念だが、松本城から白鳥がいなくなったわけではない。前述したように、松本城には松ちゃんの子供たちが元気に暮らしている。
私たちにできることは、彼らに少しでも長生きしてもらうべく、松本城はもちろん白鳥を大切にする意識を持つことだ。
松本城における白鳥飼育の歴史はけっして浅くはない。
- ① 昭和39年、松本城公園での白鳥飼育がスタート
- ② 森永乳業から「モリオ」と「ナガコ」のつがい(第1世代)が寄贈される
- ③ 彼らの子供「マツオ」「シロオ」など6羽の第2世代(一部は岐阜県高山市に寄贈)が育つ
- ④ 国宝・彦根城から「彦ちゃん」と「松ちゃん」のつがい(第3世代)が寄贈される
- ⑤ 現在は松ちゃんの子供たち第4世代が松本城のアイドルとして暮らしている
可愛らしい白鳥と共に生きるためにも、私たち人間は最低限のマナーと配慮を忘れてはならない。何一つムダにしちゃいけないからね。
松ちゃん、天国でゆっくり休んでね。
沢山の感動をありがとう。
出典:
市民タイムス 2019/7/24号「お城のアイドル 白鳥死ぬ 松ちゃん老衰23歳」(新聞)
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