長野県は地域によって“年取り魚”が異なる。
私なんぞは中信地方なのでブリを毎年食べるが、地域によってはサケを食べるところもある。
では、年取り魚が地域によって異なるのはなぜなのか…?
SBC信越放送「ずくだせテレビ」がそれについて特集したので、今回は番組情報をもとに地域によってブリとサケに分かれている理由をまとめてみた。
北信は「サケ」中南信は「ブリ」
冒頭でも触れたが、長野県は地域によって年取り魚が違う。
結論から言うと北信地域は「サケ」、中南信地域は「ブリ」となっている。
事実、「ずくだせテレビ」がOAした内容もそうであった。
篠ノ井出身(北信)の島田秀平さんの年取り魚は「サケ」。長野県の年取り魚について解説してくれた安曇野市穂高郷土博物館の倉石あつ子さんは中信在住なので「ブリ」と回答していた。
年取り魚が地域によって異なることは、誰もがなんとなく知っていること。
でも問題なのは「なぜ地域によってサケとブリに分かれているのか?」なんだよね。
それでは掘り下げていくとしよう。
年取り魚が地域によって異なる理由
上の写真は長野県全域の年取り魚マップ(長野県教育委員会)。
オレンジになっている地域は「ブリ」を、紫になっている地域は「サケ」を、色なし地域が「どちらも食べる」という結果になっている。
さらに年取り魚を掘り下げたマップが次の写真。
この資料は「長野県史~民俗編~」に記載されている情報。調査時期は昭和50年ごろで、調査員を各地域へ1名ずつ配置し年取り魚の種類を記録していったという。
その調査地点の数はなんと432件。
これだけ調べているわけだから、その正確性はほぼ間違いないね(古い情報ではあるけど)。
そして本題の“ブリとサケに分かれた理由”も優越地マップで明らかになった。
倉石さんの見解は次のとおり。
なるほど。
でも、ツッコみくたなる箇所が一点ある。
「いやいや、ブリが食べられているオレンジエリアにも川流れてるじゃん・・・」と。
がしかし、倉石さんの見解はこうだ。
そもそも長野県における年取り魚は、ほぼ全域でサケだったのではないか?と。
つまり、ブリは時の流れによって定着した年取り魚というわけだ。
確かに中南信と飛騨は近いし、輸入によって普及した可能性は高い(納得もいく)。まあ、何よりマップのオレンジ部分が物語ってるしね。
がしかし、これはあくまで「ずくだせテレビ」による見解。
断言できるものではないので、その点はご理解よろしゅう。
とはいえ昨今は複雑になっているようで…
このように長野県の年取り魚は北信は「サケ」、中南信は「ブリ」となっている。
だが、時は止まらない。
物事は常に一定ではないのだ。
何が言いたいのかというと、昨今における県内の年取り魚事情は着々と変化しているということ。
年取り魚を従来どおり食べる家庭もあれば、魚を一切食べない家庭もある。昨今は年取り魚の代替として、別の食材を選ぶ家庭が増えているみたい。
これはきっと年取り魚に対するこだわりが薄まっている現れだろうな。
今は好きなものを食べることが当たり前なんだと思う。
【総括】年取り魚が地域によって分かれている明確な理由は不明
長野県の年取り魚が地域によって異なる理由は、”時代背景”が影響していた。
とはいえ、明確な情報というわけではなく推測のレベルでしかない。それでも倉石さんの説は理にかなっているし、資料と照らし合わせても納得できる点が多かった。
なので、おそらく「長野県の年取り魚はもともとサケのみだったけど、輸入よってブリが食べられる地域が増えて現在に至る」ってところかと。
ちなみに目黒清華アナウンサーの年取りは、ブリでもサケでもなく「ジンギスカン」らしいw
これにすかさず島田秀平さんがツッコミ。
それに目黒アナはあたふたするのであった。
でも、目黒アナのようなケースは珍しくないと思う。
そもそもお年取りで大切なことは、食材なんかじゃなく「一家団欒」なんだよね。正月はいつの日も笑顔であふれるようにしたいものよのう。
引用:
SBC信越放送「ずくだせテレビ」2018/12/26放送分【1】
鮭とブリを自宅で食らおうじゃないの
コメント
両方食べる我が家は異端なんだな
コメントありがとうございます。
我が家もなかなか特殊ですw
今後はサケとブリを食べる風習が薄れていく気がしますね・・・。
残せる文化は残していきたいものです。