2018年10月、私はいつものように小坂田池でバス釣りをしていた。
昼過ぎまで竿を振り満足したので帰宅しようと思ったのだが、塩尻市立自然博物館で非常に興味深い作品展が開催されていることに気付く。
それは切り紙作家・百瀬達也さんの『紙の昆虫展』。
百瀬達也さんの作品は以前インターネットで見たことがあり感動したことがある。そんな彼の作品を生で見られるとなれば行かないわけないでしょと。
ということでこの記事では塩尻市立自然博物館で開催された紙の昆虫展「百瀬達也の世界」の感想をまとめてみる。
百瀬達也って何者なのよ?
百瀬達也さんは塩尻市在住の切り絵作家(1995年7月28日生まれ)。
その手法は独自性にあふれ、フリーハンドの展開図を切り出し、立体的に折りたたんで昆虫(作品)を作り上げる。
使用する材料は色画用紙とハサミとのり。フリーハンドで切り抜いた一連の展開図を自由に折りたたみ、触覚や手足の繊毛に至るまで本物そっくりに作り上げていく。その作品は言葉を失うほどのハイクオリティ。その展示会は県内各地の文化施設で開催されている。
百瀬達也さんが切り絵で昆虫を作るようになったキッカケは、小さな頃から昆虫が好きで「ファーブル昆虫記」「昆虫図鑑」をよく読んでいたこと。その後折り紙を覚えると、小学3年生の時点では好きな昆虫を「切り紙」にし、大人顔負けの作品を生み出していたという。
もう神童だよ、神童。レベルが違いすぎる。
なお、師匠はJ・H・ファーブルとのこと。
このように百瀬達也さんはとんでもない才能を持った塩尻市が誇るクリエーターなのである。
実は人生初の塩尻市立自然博物館
実は私、塩尻市立自然博物館はこれが人生初。あまりこの手の施設を普段から利用しない&行かないこともあって、入館には若干の緊張を抱いていた。
しかし、私の意識の大部分は百瀬達也さんが作り出す紙の昆虫。それに比べれば緊張など大したことない。とにかく早く見たい一心で受付へと向かった。
入館料は大人300円(20名以上の団体は240円)、小・中学生は無料。300円を払って受付を済ませると、パンフレットなど一式が配布される。
こんなこと言っちゃなんだけど、塩尻市立自然博物館はみんなが想像するような規模の博物館ではない。非常にこじんまりとしていて、10分もあればすべてを見て回れる。
とまあ、今回は博物館のレポートでやって来たわけではない。お目当ては百瀬達也さんの紙の昆虫展「百瀬達也の世界」だ。
早くこのチラシに掲載された作品を見たいッ!!
チラシからもよくわかるその繊細さ。
さすがとしか言いようがないね。
モノづくりをここまで細かくリアルにできる人(というよりもイメージを具現化できる人)は本当に尊敬する。
百瀬達也さんの切り紙はまさしくそれであり、繊細さに欠ける私にとっては学びしかない。
と、チラシを見てワクワクしていても無意味。こうして私は人生初の塩尻市立自然博物館を体感すると共に、彼が作り出す”極上の世界”に魅了されるのだった。
驚きの連続!想像以上にリアルな“紙の昆虫たち”
さっそく百瀬達也さんの全作品を閲覧した。
結論からいうと・・・
こちらの頭がバグるほどのクオリティ。これがたった300円で見られるなんて安すぎるわ。
それら極上の作品を当記事にて掲載したかったのだけど、残念ながら博物館内の撮影はNG。よって以降は私が目で見て感じたことを綴っていく。ご了承願いたい。
ではあらためて百瀬達也さんが作り出した紙の昆虫を見た感想を。
それを見てまず思ったのは、あり得ないほど繊細ということ。そして・・・なんていうのかな、紙が非常に喜んでいるように思えたんだよね。
紙の昆虫たちはすべてフリーハンドで作られており、デジタル感は一切見られない。人の温もりがどこまでも感じられるし、優しさや上品さも漂っている印象。これぞ極上のアナログ作品だと思ったわ。
紙の昆虫たちは想像していたよりもリアルだったし。
妥協は一切見られずどこまでも丁寧であることは一目瞭然。メインの昆虫だけでなく、脇役の葉っぱや枝、展示台になどにもこだわってるんだからスゴイとしか言いようがないわけよ。
こりゃあっぱれ!これを完成させるなんて恐ろしいほどの集中力・忍耐力・情熱がないとムリだわ。
百瀬達也さんは想像を絶するレベルでモノづくりしてるんだなあ。
そのなんたるかを教えられた気がしたよ。
百瀬達也さん、実はお若いんだよね
先のプロフィールでも述べたが、実は百瀬達也さん、非常にお若いクリエーターなのよね。
大変失礼ながら良いご年齢の方だと勝手に決めつけてた・・・。しかし、実際のところは1995年生まれとお若い!!
これは将来有望以外ですなあ。
大量生産ができない芸術作品を納得行くまで作り上げる。こんなにも凄いスキルを持っているのに、多くの人に知られていない現状はなんだかなあ・・・。
次はもっと大きな博物館やイベント会場での開催を期待したいし、新たな作品もじっくり眺めたいね。あ、別に塩尻市立自然博物館をdisってるわけじゃないよ。百瀬達也さんのクオリティを生かせる場にしたほうが良いって話ね。
とはいえご本人は現状で十分だと思っているかもしれない。
私なんぞはそれでもこの素晴らしい紙の昆虫たちを広い空間で心行くまで見たいなあ。
【総括】「設計図は頭の中」とかカッコよすぎでしょ
いやー百瀬達也さんの切り紙作品には恐れ入った。あそこまでリアルな昆虫をフリーハンドで作り上げてしまうんだからね。
しかも、作品の設計図は頭の中なんだそう。
てっきり設計図は紙にプリントアウトしてると思ってたんだけど、これまた神レベルでやばいな、紙だけに。
彼の作品は誰が見ても十分すぎるクオリティに達しているけど、ご本人はまだ納得していない様子。今後はもっとリアルに本物に近づけたいと日々試行錯誤しているのだそう。
これはもう将来的に世界的な切り紙作家として有名になるね、うん。
おっさんは一発であなたのファンになったよ。
ぜひ皆さんも機会があれば百瀬達也さんのリアルすぎる紙の昆虫たちをその目で確かめてほしい。
冗談抜きでゴイスーなので。
おまけ:博物館で購入した「3D立体ペーパーパズル」にも満足する
最後に塩尻市立自然博物館で売られていた「3D立体ペーパーパズル」を組み立てた様子をば。
紙の昆虫たちに感動した私は、その流れで窓口で売られていた「3D立体ペーパーパズル」を購入。汗
ちなみにこのペーパーパズルは百瀬達也さんとは一切無関係の商品。同じく紙だったこともあって衝動買いしたオチでやんすよ…。
今回購入したのは「カマキリ」と「スズメバチ」の2点(特典で絵はがき2点も付いてきた)。
では、「カマキリ」の組み立てだけ掲載しておくか。
開封するとこんな感じ。

マニュアルと本体
これは小学生のときに熱中したプラモデルを思い出す。あのときはガンダムのBB戦士にハマっていたっけか。
組み立ては思っていたよりも簡単で、だいたい10分くらいで完成したかな?やや腕のパーツで苦戦したものの、スムーズに組み立てることができた。

完成したカマキリ
これはこれで紙の魅力を堪能できる商品。衝動買いではあったものの買って正解だったかもw
引用:
★予告★「里山の昆虫(なかま)たち」百瀬達也作品展 / しあわせ信州【1】
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