人肉館にまつわる怖い話(噂)の真相 | 事件なんて真っ赤な嘘です。

人肉館にまつわる怖い話(噂)の真相 | 事件なんて真っ赤な嘘です。 長野県のローカル情報

長野県にはさまざまな心霊スポットがあるが、もっとも強烈なネーミングを誇るのは間違いなくここだろう。

松本市にある「人肉館(じんにくかん)」

 人肉館の特徴

  • 長野県松本市の峠道にある廃墟
  • 長野県内はもちろん全国的にも知られる心霊スポット
  • 人肉を捌いて提供していたという噂があるが真っ赤な嘘
  • 実際はジンギスカンなどを提供していた「茶臼山荘」という店舗
  • 風評被害により建物のオーナーは迷惑している

心霊スポットに興味がある中信在住者なら、おそらく一度は訪れたはず。かく言う私も高校時代、ここで数回ほど肝試しをしている(今となっては色んな意味で反省…)。

されど、人肉館にまつわる怖い話や噂はすべて真っ赤な嘘。こちらもその他の心霊スポットと同様に、噂が独り歩きしたことで悪しき存在にされてしまった被害地なのだ。

当記事では、そんな「人肉館」の真相についてまとめた。

記事の信頼性

  • 筆者は長野県出身で中信在住20年のWebライター
  • 長野県のあちこちで日々さまざまな経験と情報収集を重ねる(中信がメイン)
  • Twitterフォロワー:約6,300人

人肉館とは

人肉館(じんにくかん)と呼ばれる建物は、長野県松本市浅間温泉にある廃墟。

その風貌と以下の怖い話や噂から、人肉館というおぞましいネーミングがつけられた。

  • かつてここは肉屋だった
  • 店主が殺人事件を起こす
  • その人肉をさばいて店で提供していた

まるでB級サイコ映画のような噂。
スプラッター映画が好きな人なら、真っ先にこの作品を思い浮かべたはずだ。

そんな人肉館と呼ばれる建物の外観はこんな感じ。

 人肉館の外観

人肉館

人肉館2

人肉館3

人肉館4

Copyright© 橋本ポストル@plstol358

現在は立ち入りが禁止されているが、心霊スポットとして全国的にも有名になっているため、肝試しや廃墟撮影による不法侵入が後を絶たない。

人肉館の正体はレストラン「茶臼山荘」

人肉館と呼ばれる建物の正体。
それはかつてジンギスカンなどを提供していたレストラン「茶臼山荘」である。

怖い話や噂では「人の肉をさばいてこっそり出していた」などと言われているが、それらは真っ赤な嘘(後述)。じっくりとリサーチすれば、ここがごく普通に営業していた飲食店だとわかる。

 茶臼山荘の営業当時における特徴

  • 開業時期は不明だが1970年代には営業していた

  • 店舗は「大パノラマ展望レストラン」
  • 南北におけるアルプスを一望できる立地が売りだった

  • 野外にはバーベキューガーデンも備えていた

  • ジンギスカンをはじめ、山菜料理や手打ちそばなどを提供していた

  • 100台以上もの駐車ができる駐車場を備えていた

閉業時期は不明だが、目撃情報などによれば2002年にはすでに廃墟になっていたという。

人肉館

現在は廃墟と化している「茶臼山荘」

なお、茶臼山荘は現在もオーナーが管理している。

事件や怖い話などはすべて真っ赤な嘘

人肉館などとトンデモない名称をつけられてしまった茶臼山荘。

先述したようにここでは事件もなければ、以下の怖い話もすべて嘘である。

  • ①:経営者が経営不振を理由に殺人事件を犯す→証拠隠滅のために人肉を料理として出していた
  • ②:生活苦となった経営者が一家心中を図った
  • ③:強盗が押し入り一家を皆殺しした

経営不振を理由に殺人を犯して人肉を出すかね?
設定があまりにもガバガバ過ぎてもう…。

そもそもそんな凶悪事件が実際に起こっていたなら、日本の犯罪史に確実に残る。それに茶臼山荘のオーナーは健在。現在は精肉店を営んでいるようだ。

それでも噂や怖い話は独り歩きをはじめる。

茶臼山荘はそのようにして、人肉館へと作り上げられたのだ。

人肉館というおぞましい名称がつけられた背景

「人肉館(じんにくかん)」の由来は実にくだらないものだ。

それはまるで小学生が思いつくレベル。
いや、さすがに小学生に失礼だな。

本物のアホでしか思いつかないレベルだと訂正しておこう。

人肉館の由来、それは…

 

「ジンギスカン」である。

 

ん?ピンと来ない??

本当にくだらないが、それでも真実を知りたい?
ロマンが一瞬にして崩れ去るかもしれないが準備はOK?

はい、これ。

 ジンギスカンが人肉館になるまでの流れ

  • ①:茶臼山荘はジンギスカンを提供していた
  • ②:廃墟になりたての頃は「ジンギスカンの食券」が床に散らばっていた(事実)
  • ③:肝試しに訪れた輩が②を見てあることを思いつく
  • ④:ジンギスカン⇒ジンニクカン⇒ジンニク館⇒人肉館

テッテテー!!!

そうなのだ。
人肉館は極寒レベルの”ダジャレ”なのだ。

茶臼山荘がジンギスカンを提供していたのは事実。
さらに食券を利用していたことも事実。

おそらく人肉館という名称が先に拡散し、やがて「人肉をさばいて出していた」という創作が足されたのだと思われる。

うぅ…デーブ・スペクター並みの寒さだった(彼に失礼)。

心霊スポットじゃないのにYouTuberがひっきりなしに訪れる現状

人肉館の真相にガッカリした人は少なくないだろう。

がしかし、心霊スポットの真実などこんなものである。

それでも「人肉館」という一種のパワーワードの影響からか、心霊・廃墟系YouTuberをはじめ、さまざまな人間が茶臼山荘廃墟にアクセスしているようだ。

有名どころでいえば「ゾゾゾ」。

ただし、ゾゾゾは許可取りをきっちりするので、法的に問題はなさそう。

それ以外に関しては許可取りしているか実に怪しい。

茶臼山荘の敷地へ許可なく立ち入ることは不法侵入にあたる。どうしても内部を散策したいのであれば、オーナーを自ら探して許可取りをしてほしい。

茶臼山荘オーナーは現状に大変迷惑している

頭を抱えるキリンさん

茶臼山荘のオーナーは現在も頭を抱えている

知人づての話をば。

茶臼山荘のオーナーさんは現在、松本市内で精肉店を経営されているとのこと。しかし、一向に減らない不法侵入に頭を抱えている。

実は茶臼山荘、不法侵入をした者の捨てタバコが原因で一度火事になっている。

「人肉館」でネット検索すると、廃墟内で堂々と酒盛り&バカ騒ぎする輩のブログがヒットすることもあったが、ほぼ間違いなくそういった人間による仕業だろう。

これから人肉館へ行こうと思っているそこのあなた。
行く前にオーナーの立場になって物事を考えてみてほしい。

きっと正しい選択ができるはずだ。

人肉館に関するQ&A

人肉館に関するQ&Aについてまとめた。

情報収集や問題の解決にどうぞ。

Q1:人肉館は取り壊しになったのでしょうか?

A:現在も廃墟として残っている。

取り壊しというキーワードが浮上する要因は、おそらく以下の人肉館をテーマにした創作小節だろう。

小屋の中のカーニバル~ヒューマンストックとお父さん/松井健太朗│ゲテモノ小説家
長野県にある実際の心霊スポット、人肉館を噂ではなく、本物の人肉館にする非人道的悲劇

Q2:人肉館は火事になったのですか?

A:2012年頃、不法侵入した者の不審火(捨てタバコ)によって全焼している。

現在のコンクリートが剥き出しの姿は、その火事が影響しているのだ。

Q3:人肉館の心霊現象はどういったものが噂されてる?

A:女性の霊が出るという噂がほとんど。

しかし、心霊現象の報告はあまり見られない。
あくまで人肉館の存在自体が注目されているだけだ。

まとめ

長野県松本市にある「人肉館」について解説した。

人肉館の正体は、かつてのレストラン「茶臼山荘」。事件や怖い話は事実無根で、ジンギスカンなどを提供していた確かな飲食店だったのだ。

噂が独り歩きして心霊スポットにされてしまうケースは珍しくない。塩尻市洗馬の沓沢湖(正確にはトンネル)はそのいい例だ。

茶臼山荘には現在もオーナーがおられる。

茶臼山荘の廃墟へいまだにアクセスしようとしている人間がいるなら、是非こう言ってやってほしい。

「あの噂をまだ信じてるの?ジンギスカンをもじったダジャレってだけで心霊スポットでも何でもないのに・・・」と。

いつ何時も良識のある行動を。

写真提供者:
橋本ポストル@plstol358

 心霊スポットが好きで好きで仕方ない人向け


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コメント

  1. 吉村 より:

    人肉館って昔話題になったけどどうなったんだろう?と昔廃墟にハマっていた頃のことを思い出し検索をかけてみたところコチラを見つけました。
    現在も建物自体は残っているのですね。
    どうしても入りたいのであればオーナーさんに連絡をして直接お会いして許可を得ないといけません(老朽化しているでしょうから、恐らく完全装備で行っても危険だと思います。天井崩落・床突き抜けで亡くなる可能性大)
    このような記事を書いていただけて廃墟ファンとしても嬉しいです。
    オーナーさんの心が休まることを祈ります。

    • ショギョウ(ヤタノスケ) 管理人 より:

      吉村さん、コメントありがとうございます。

      人肉館は本当にオーナーさんが迷惑しているようです・・・。
      この記事が廃墟への歩みを帽子する効果などたかが知れていますが、1人でも理解者が現れたらなと。

      私もオーナーさんが抱える重荷が少しでも軽くなることを祈っています。

  2. おまえきもいよ より:

    言ってることはしごくまともなんだけど、文体が鼻についてむかつく
    ものすごいナルシズムを感じる

    • ショギョウ(ヤタノスケ) 管理人:矢太之助 より:

      これはこれはご丁寧にどうも。
      むかつかれているのにわざわざコメント頂けるのですね。

      ちなみにあなたのIPアドレス、こちらでは丸わかりですけど大丈夫ですか?

  3. よっこいしょーいち より:

    昔、16、7の頃、ここの前を散歩で通りかかった時に「おもろい形の廃墟がある!?」と当時若干の廃墟マニアだった自分は心惹かれました。
    いつかまた訪れたいと思いつつも月日は経ち、当時若干の廃墟マニアだった自分は現在ガチの山城マニアとなり、近くの茶臼山砦を調べるべくググっていたら件のおもろい形の廃墟が「茶臼山荘」という名前で、おぞましい心霊スポットになっていることに愕然。砦を見に行ったその足で過ぎ去りし日の茶臼山荘を再訪。しかし、
    「燃え落ちとるがな・・・」
    なんでこんなことしちゃうんでしょうかね?
    たしかに自分はここに大事な思い出があるわけではありませんが、たしかに心牽かれたのです。
    それがここで仕事をしたり、食事をしたり、飲んだり、泊まったりした人にはもっと確実な思い出があったと思うのです。
    それを思うと本当に残念でなりません。
    考えたのですが当時の賑やかだった時の写真を公開してみてはいかがでしょうか?ここは不気味でユーレイなどが出る場所ではなく、いろんな人が楽しい時を過ごした明るい場所だったのだと人々に知って貰えれば心霊スポットになることもないかと・・・
    焼け落ちた今となっては時既に遅しですが。つくづく「諸行無常」を感じました。
    自分もアルプスや夜景を見ながらジンギスカン食ってビール飲みたかった。

    (安塚精肉店のお肉おいしかったです。近くの美寿々酒造のお酒もおいしいですよ。)

  4. 名無しの小林 より:

    この間、YouTubeのエモル図書館というチャンネルで人肉館をテーマにした怪談が紹介されていました。
    めっちゃ山奥の食肉工場付きの飲食店という巨大施設のように描かれていましたが、本物とは程遠くて正直笑ってしまいました。
    これしちゃうとまた人肉館の噂が広がってオーナーさんが迷惑しないか心配です。

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