長野県の心霊スポットのなかでもっとも強烈なネーミングを誇る「人肉館(じんにくかん)」。
心霊スポットに興味がある中信在住者ならおそらく一度は訪れたことがあるはず。かく言う私も高校時代、ここで数回ほど肝試しをしている(今となっては色んな意味で反省…)。
噂では”人の肉を出していた”ことから『人肉館』と呼ばれるようになったらしいがはたして・・・。
ということでこの記事では松本市であまりにも有名な心霊スポット「人肉館」の真相を追ってみる。
「人肉館」ってなんぞ?

「人肉館」と呼ばれる施設はほぼ廃墟状態
まずは「人肉館」をご存知ない方のためにサクッと解説しよう。
人肉館は長野県松本市浅間温泉にる廃墟。
真相はさておき、人肉館は長野県における人気の心霊スポット・怖い話(噂)の定番。「人肉館」というおぞましいネーミングの由来はかつて人肉が売られていたという噂話から来ている。
まるでB級サイコ映画のようwww
なお、人肉館の外観は今こんな感じ。
写真はTwitterで仲良くさせて頂いている「橋本ポストルさん(@plstol358)」)が撮影してくださったもの(2020年1月現在)。
現在は完全に廃墟となっており立ち入りが禁止されている。がしかし、肝試しや廃墟撮影を好む人々による不法侵入が後を絶たない(写真撮影なら敷地外からでも十分できるんだけどね…)。
はたして本当に人の肉を出していたのか?
さて、そんじゃあ人肉館の由来でもある「人の肉をさばいてこっそり出していた」ことが事実なのか確かめて行こうかね。
っていきなり鼻をへし折らしてもらうと…
店が経営不振になったからって殺人を犯すかね?普通に別の仕事探せば済む話よね??
設定があまりにもガバガバ過ぎてもう…。
そもそもそんな凶悪事件が実際に起こっていたら日本の犯罪史に残るわけよ。でも記録は一切ないし、報道もありゃしない。
まあ、そういうことなのよ。
それでも噂や怖い話は一人歩きをはじめる。人肉館は現在次のようなストーリーが植え付けられているようだ。
1)経営者が殺人事件を犯す→証拠隠滅のために人肉を料理として出していた
2)生活苦となった経営者が一家心中を図った(精神崩壊して家族の肉を出した?)
3)強盗が押し入り一家を皆殺しした
1)は人肉館と呼ばれる所以を理解できる。がしかし、2)と3)に関しては人肉館につながらない。
このように人肉館は根も葉もない噂が拡散したことで作り上げられた心霊スポットまた怖い話なのだ。
言うまでもないが殺人事件など起こっていない。すべてが嘘っぱちなのである。
では、「人肉館」と呼ばれるようになった廃墟は以前、どのような施設だったのだろうか。
廃墟の正体は「茶臼山荘(飲食店)」

人肉館は松本市浅間温泉の峠を上っていくと姿を現す
人肉館の正体はすでに明らかになっている。
ここはもともと「茶臼山荘」と呼ばれる飲食店。ごく普通に営業していたことは近隣住民の誰もが知っていることだ。
廃墟になった背景は経営不振で店仕舞い⇒解体はせず放置⇒次第に劣化と言ったところ。
心霊スポットと化した背景は放置による劣化で外観が不気味になる⇒噂が拡散する⇒肝試しをする人間が増えると言った感じだろうな。
これは私なんぞの憶測だが、峠にひっそりと佇んでいることも悪影響になったのではないかなと。だってほら、夜の峠に不気味な廃墟とか「肝試し人間ホイホイ」じゃん?
ごく普通の飲食店がやがて心霊スポットになっちまうなんてね…。切ない話だよまったく。
とにかくだ、人肉館と呼ばれている現廃墟はもともと「茶臼山荘」という飲食店。これだけは頭に入れておいてね。
おぞましいネーミングがつけられた真実
「人肉館(じんにくかん)」の由来の真実は実にくだらないものだった。
それはまるで小学生が思いつくレベル。いや、小学生に失礼だな。本物のアホでしか思いつかないレベルだと訂正しておこう。
人肉館の真の由来、それは…
「ジンギスカン」である。
ん?ピンと来ない??
本当にくだらないけど真実を知りたいかい?ロマンが一瞬にして崩れ去るかもしれないぞ?
いいんだな??
はい、これ。
ジンギスカンが人肉館になるまでフロー
茶臼山荘はジンギスカンを提供していた。
↓
廃墟になりたての頃はジンギスカンの食券が床に散らばっていた(事実らしい)
↓
訪れた輩があることを思いつく
↓
ジンギスカン
↓
ジンニクカン
↓
ジンニク館
↓
人肉館
テレテテッテテー!
ええ、ダジャレなのですよ。
凍え死ぬくらいの寒さをもった…。
茶臼山荘がジンギスカンを提供していたのは事実。さらに食券を利用していたことも間違いない模様。
おそらく人肉館というネーミングが先に広まり、やがて「人肉をさばいて出していた」という創作が足されたんだろうね。
うぅ…デーブ・スペクター並みの寒さだったわ(彼に失礼)。
茶臼山荘オーナーは大変迷惑しているとのこと

茶臼山荘のオーナーは現在も頭を抱えている
知人づての話をば。
茶臼山荘のオーナーさんは現在松本市内で飲食店を経営されているとのこと。
それを聞いてホッとしたけど…
オーナーさんは一向に減らない不法侵入に頭を抱えているらしい。
実は茶臼山荘、不法侵入者の捨てタバコが原因で一度火事になっている。
私なんぞも学生時代に不法侵入してしまった立場なので大きなことは言えないが、タバコをポイ捨てするなどもってのほか。
なお、「人肉館」で検索すると廃墟内で堂々と酒盛り&バカ騒ぎする輩のブログがヒットする・・・(ほぼ間違いなくオーナーの許可は得ていない=不法侵入)。
これから人肉館へ行こうと思っているそこのあなた。行く前にオーナーの立場になって物事を考えてみよう。
正しい選択がきっとできるはずだ。
【総括】ダジャレに踊らされ不法侵入者になる必要はない
というわけで、人肉館は噂によって作りあげられた悲しい廃墟だった。
実はこういったケース、珍しくないんだよね。
たとえば塩尻市洗馬の沓沢湖(正確にはトンネル)。ここもほぼ同様。心霊現象につながる要因がまったくないにもかかわらず、勝手に心霊スポット化されてる。
あらためて言うけど、
現在も茶臼山荘にはオーナーがおり、許可された者以外の立ち入りは禁止されている。
まだ茶臼山荘へ肝試しに行こうとしている人間がいるならこう言ってやってほしい。
「あの噂まだ信じてるの?“ジンギスカン”をもじったダジャレってだけで心霊スポットでも何でもないぞ?」と。
いつのときも良識ある行動を。
不法侵入して危ない橋なんか渡らずさ、安塚精肉店の旨いジンギスカン食って幸せになりましょね。
写真提供者:
橋本ポストル@plstol358
廃墟のおすすめ書籍
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コメント
人肉館って昔話題になったけどどうなったんだろう?と昔廃墟にハマっていた頃のことを思い出し検索をかけてみたところコチラを見つけました。
現在も建物自体は残っているのですね。
どうしても入りたいのであればオーナーさんに連絡をして直接お会いして許可を得ないといけません(老朽化しているでしょうから、恐らく完全装備で行っても危険だと思います。天井崩落・床突き抜けで亡くなる可能性大)
このような記事を書いていただけて廃墟ファンとしても嬉しいです。
オーナーさんの心が休まることを祈ります。
吉村さん、コメントありがとうございます。
人肉館は本当にオーナーさんが迷惑しているようです・・・。
この記事が廃墟への歩みを帽子する効果などたかが知れていますが、1人でも理解者が現れたらなと。
私もオーナーさんが抱える重荷が少しでも軽くなることを祈っています。
言ってることはしごくまともなんだけど、文体が鼻についてむかつく
ものすごいナルシズムを感じる
これはこれはご丁寧にどうも。
むかつかれているのにわざわざコメント頂けるのですね。
ちなみにあなたのIPアドレス、こちらでは丸わかりですけど大丈夫ですか?
昔、16、7の頃、ここの前を散歩で通りかかった時に「おもろい形の廃墟がある!?」と当時若干の廃墟マニアだった自分は心惹かれました。
いつかまた訪れたいと思いつつも月日は経ち、当時若干の廃墟マニアだった自分は現在ガチの山城マニアとなり、近くの茶臼山砦を調べるべくググっていたら件のおもろい形の廃墟が「茶臼山荘」という名前で、おぞましい心霊スポットになっていることに愕然。砦を見に行ったその足で過ぎ去りし日の茶臼山荘を再訪。しかし、
「燃え落ちとるがな・・・」
なんでこんなことしちゃうんでしょうかね?
たしかに自分はここに大事な思い出があるわけではありませんが、たしかに心牽かれたのです。
それがここで仕事をしたり、食事をしたり、飲んだり、泊まったりした人にはもっと確実な思い出があったと思うのです。
それを思うと本当に残念でなりません。
考えたのですが当時の賑やかだった時の写真を公開してみてはいかがでしょうか?ここは不気味でユーレイなどが出る場所ではなく、いろんな人が楽しい時を過ごした明るい場所だったのだと人々に知って貰えれば心霊スポットになることもないかと・・・
焼け落ちた今となっては時既に遅しですが。つくづく「諸行無常」を感じました。
自分もアルプスや夜景を見ながらジンギスカン食ってビール飲みたかった。
(安塚精肉店のお肉おいしかったです。近くの美寿々酒造のお酒もおいしいですよ。)