あなたの周りにはまだ、昔なつかしの洋食屋は存在しているだろうか?
昭和の雰囲気を今も残し、幅広い年齢層から愛され続ける貴重な絶滅危惧店が。
親しまれた飲食店が次々と消えていく昨今、松本市村井に当時から変わらず営業する洋食屋がある。
『キッチンブルドック』だ。
同店の「レトロな雰囲気」と「昔から変わらない味」は、昭和時代にタイムスリップできる大切な要素。そんな替えの効かない洋食屋『キッチンブルドック』で、私が感じたあれこれをまとめてみる。
目次
意外とたどり着くのに苦労する「キッチンブルドック」
「キッチンブルドック」は松本市村井にある昔ながらの洋食屋。
国道19号線沿いにある「トイザらス松本店」前の道を少し進んだところに店を構えている。道のりとしては極めて単純なんだけど、住宅が密集しているためか、カーナビがあっても間違えやすい。
だからGoogleマップで事前にシミュレーションしたほうが良いかも。
「いや、地図見るかぎり余裕じゃん」って思う方が大半だと思うけど、いざ付近に到着すると迷う可能性もある。てなことで念のためルート解説しておく。
まずは「トイザらス松本店」を目指す。
同店前のこの道をまっすぐ進む。
すると左に「中野医院」の看板と、「トイザらス」の第2駐車場が見えてくる。
そのまま少し進むと「キッチンブルドック」に到着する。
キッチンブルドックは一軒家の1階部分をレストランにしたイメージ。比較的規模が小さいこともあって、店舗前の駐車場は2台しか停められない。が、付近に専用駐車場が用意されているのでご安心あれ。
「中野医院」の看板を確認できる手前が専用駐車場。
店舗前駐車場が利用できない場合はこちらを利用しよう。
道案内は以上。
迷惑駐車が多いようなのでルール厳守で。
昭和感が満ち溢れた店内
「よくぞ残っていてくれた」
キッチンブルドックに入ってすぐ、私は心の中でそうつぶやいた。
店内はまさに昭和時代の洋食屋そのものであり、小さな頃の記憶とリンクした。
やさしい味付けの料理に誰もが笑顔になってさ、人と人から生じる暖かさが充満していたあの頃が鮮明に蘇ってきたのよ。これは別に昭和時代を美化しているわけじゃない。昭和時代に感じたあの感覚が目を覚ましただけのこと。
もうウルっときちゃったね。
本当にありがたい。
だってさ、このテーブル見てごらんよ。
昔ながらの街の洋食屋のそれでしょ?
それにさ、今もなお「呼び鈴」を使っているんだぜ。
このテーブルと呼び鈴がこれまでにどれだけの人間模様を見てきたのか想像すると、30代のおっさん(私)は泣いちまうんだよ…。
飲食店だってのはわかってるんだけど、メニューを目にする前に店内のあちこちが気になってしまって撮影ばかり。汗
もう嬉しくて飛び跳ねたくなったのがカーペット。
これってさ、昭和時代の喫茶店やレストランなどによく使われていた定番だよね。
全体的に昭和な空間が広がっているんだけど、モダンを感じさせる部分もあったりしてオシャレな昭和を楽しめる洋食屋だなーと。
とにかく昭和が盛りだくさん。
何かドリンクを飲みに来るだけでも価値がある洋食屋だと思う。
メインメニューは「定食」「スパゲッティ」「カレー」の3種
キッチンブルドックのメインメニューは次の3種。
定食
スパゲッティ
カレー(とごはんモノ)
洋食屋でありながら「定食」を提供していて、ほとんどのメニューに味噌汁がつく。これって実に面白いし、昔ながらの洋食屋に見られる“あるある”だったりするんだよなあ(良い意味で矛盾してるみたいなね)。
カツ丼やエビ丼がラインナップされているのもツボだった。
ホントこういうところカワイイよ、キッチンブルドック、カワイイ。
メイン以外のメニューとしては「サラダ」「スープ」「ドリンク」のみ。ドリンクメニューで注目すべきは昔ながらの喫茶店で味わえる懐かしの「メロンフロート」かな。
ラインナップを見るかぎり、喫茶店としても利用できそう。
日替わりランチメニューもあるので、お得に食べたい方は足を運んで確かめてほしい。
これでもかってくらいやさしい味付けにまた涙・・・
数あるメニューの中から注文したのは「ハンバーグ定食」。
昔ながらの洋食屋が作るハンバーグって美味しさだけでなく作り手の思いも感じられるメニューだと思うのよ。だから訪れる前からこれにしようと決めていた。
キッチンブルドックのハンバーグは思ったとおり、昔ながらの味付けで「なつかしさ」と「やさしさ」が詰まっていた。
ハンバーグは俵型でザク切りの玉ねぎが歯ごたえを演出。切ると肉汁が飛び出すようなモダンタイプではなく、どこまでもオーソドックス。スパイシーな味付けにせず、子供も大人も美味しく食べられる配慮が感じられた。
どちらかといえば家庭的なハンバーグに近い印象かな。
デミグラスソースは昭和感が色濃く出ており、ケチャップとソースをメインに作り上げた子供が好む味付け。これを食べた途端、どこかのレストランでハンバーグを食べている小学生時代の自分とリンク。
この時代にあの頃の味と同じハンバーグが食べられる幸せ・・・。
泣いてやろうか。
もう泣いてるわ。
極上の味付けと品質をもったハンバーグが食べたいなら、相応のレストランにでも行けばいい。
キッチンブルドックに求めるべきは「なつかしさ」と「やさしさ」。
もう昭和に帰ることはできないが、昭和の味はまだ食べられる。
心からキッチンブルドックに感謝したい。
カミさんは「カツカレー」を食らう
なお、カミさんは洋食メニューにしようと決めていたものの、急にカレーの気分になったらしく「カツカレー」を注文。
現代的なスパイシーなカレーとは異なり、まろやかでやさしい味付けだった。
これはハンバーグの味付けから感じた部分と同じものがあるね。年齢に関係なく誰もが食べられる配慮があるんだろう。
他店で近い雰囲気のカレーは惜しまれつつ閉店した「デリー」のそれかな。昔ながらのカレーは攻撃的でなく、食べる側を包み込むかのような懐の深さを持ってるんだよね。
まさにキッチンブルドックのカレーはそれだった。
カツは揚げ加減が絶妙でバクバク行けちゃう感じだったかな。だから次回は揚げ物系のメニューを注文しようと思う。
【総括】昔ながらの洋食屋をお探しなら松本市村井へ
キッチンブルドックは至るところに昭和が詰まっている貴重な洋食屋。
レトロな雰囲気をもった飲食店は多々あるけど、本物のレトロをもったところは数少ない。ましてや洋食屋ともなるとさらに限定されるので、松本市村井にあるキッチンブルドックはSS級のレアショップだ。
昭和をよく知らない人には響かない洋食屋かもしれないが、なつかしいあの良き時代を知る人には涙モノの洋食屋になると思う。
昔ながらの洋食屋を松本市でお探しなら、ぜひ村井へ足を運んでほしい。
昭和回帰、余裕だぜ。
松本市界隈のレトロな飲食店記事一覧