長野県松本市の正月行事「三九郎」とはどういったものなのか | 由来や歴史についてあれこれまとめました。

長野県松本市の正月行事「三九郎」とはどういったものなのか | 由来や歴史についてあれこれまとめました。 長野県のローカル情報
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長野県松本市を中心におこなわれる正月行事「三九郎」について知りたいです。どんな由来や歴史があって、どんな内容で行われるのか具体的に教えてほしいです。

当記事はこんな疑問を抱えている方が対象。

筆者は小学生まで毎年「三九郎」を経験してきた長野県の中信地方民。

この記事を書いた人
ショギョウ(ヤタノスケ)

 
自由人でレトロ厨で飲兵衛なWebライター。

長野県出身。高校まで中信→大学で福井→卒業後は東京10年→30歳で長野県中信にUターン後、信州の魅力を発信・再確認すべく当ブログ「ショギョウムジョウ」を開設。中信エリアのローカル情報をメインに信州のあれこれを投稿している。
 
本業は企業メディアのWebライター。趣味は信州の情報収集・散策、松本山雅FCの応援(DAZN組)、釣り、DTM、飲み歩き。オカメインコが相棒。現在は育児奮闘中。
 

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三九郎を一言でまとめるとこんな感じ。

  • 三九郎は小正月に行われる無病息災や豊作を願う火祭り
  • 由来は諸説あるが、3つの苦労(病、災厄、重税)を追い払う祭り「三苦労」が語源っぽい
  • 一般的には「どんど焼き」といわれるが、松本地域では「三九郎」と呼ばれる
  • 「独自の歌」と「繭玉を柳の木に刺して焼いて食べる」
  • 地域によって歌や作り方が異なるケースも

無論、上記がすべてではない。
あくまでテンプレといった印象。

当記事では、そんな長野県松本市(中信地区)の正月行事「三九郎」についてまとめた。

由来や歴史などをインプットしたい方は、参考にして頂ければと。

記事の信頼性

  • 筆者は長野県出身で中信在住20年のWebライター
  • 長野県のあちこちで日々さまざまな経験と情報収集を重ねる(中信がメイン)
  • Twitterフォロワー:約6,300人

三九郎とは

三九郎(さんくろう)は、長野県松本市を中心に正月におこなわれる伝統行事。

長野県松本市の正月行事「三九郎」

「三九郎」

行事の目的は「無病息災」。自宅に飾っていた「しめ縄」「松飾り」「だるま」を地域ごとに集めて燃やし、神送りをおこなう。

これは長野県でいうと「どんど焼き」と呼ばれる行事だが、松本市をはじめとする中信地方では「三九郎」と呼ばれている。

 名称は異なるも全国でおこなわれる「三九郎と同様の行事」

地域名称
東北地方どんと焼き
長野県・山梨県の一部地域道祖神祭り
静岡県さいと焼き
近畿~北陸左義長(さぎちょう)
九州鬼火たき

このように全国にも似たような正月行事が多くみられる。

行事の内容は地域によって異なるが、流れとしては独自の歌をうたい、繭玉を焼いて食べるのが一般的。これにより、1年間は病気にかからないと言い伝えられている。

三九郎の由来

三九郎という名前の由来は諸説ある。

  • 神霊を乗り移させる童子「福間三九郎」に由来した説
  • 松本城の2代目城主・石川康長の幼名「三九郎」に由来した説
  • 祭りの際に供えられた人形の名前が由来になった説
  • 3つの苦労(病、災厄、重税)を追い払う祭り「三苦労」が語源になった説
  • 稲藁を円錐状に積んだ「サクロ」から由来した説

出典:高原社mapbinder

いずれも定説ではないので、ハッキリしたことはわかっていない。

筆者としては「3つの苦労(病、災厄、重税)を追い払う祭り「三苦労」が語源になった説」を推したいが、実際は童子「福間三九郎」説か2代目城主・石川康長の幼名説のような気がする。

三九郎の歴史

三九郎は具体的な開始時期が記録されていない模様。

しかし三九郎のような火祭りは、一般的に日本各地で古くから継続されてきた。その目的は無病息災や豊作を願うことが多く、地域によって様々な形態や名称で伝わっている。

これらの情報から考えるに、三九郎のような行事は農耕社会の生活と密接していることから、その起源は古く、農業が生業だった時代にまでさかのぼるのではないか。

実は想像しているよりもずーっと古い行事かもしれない。

三九郎はいつ行われる?

三九郎が行われる日時は地域によって異なる。

もともとは小正月におこなう行事なので、1月15日ごろに開催するところが多い。ただし平日の開催はきわめて難しいため、地域の人々が集まりやすい土日に開催する地域がほとんどである。

なお、流行り病が世界中にひろまった2021年は、各地で開催が中止となった(現在は多くの地域で再開されている)。

三九郎の作り方

三九郎の一般的な作り方は以下のとおり。

  1. 骨組みの作成
    まずは木で骨組みを作る。
  2. 藁や松の枝を取り付ける
    骨組みに藁や松の枝を縛り付け、やぐら状の構造にする。
  3. 正月飾りや縁起物を取り付ける
    骨組みに正月飾りや縁起物のお札、ダルマなどを飾り付る。

準備が整ったら火を点け、無病息災を願う。

組み立て方は基本的にどこも同様だが、地域独自の工夫が見られるところもある。たとえば、塩尻市洗馬上組の三九郎は、大小2基のやぐらを構築して豪快に燃やす。

このように、三九郎の作り方や規模は地域によってそれぞれ。

これまた三九郎の魅力である。

三九郎の歌

三九郎でうたわれる歌については、地域によって大きく異なる。

定番とされているのは「三九郎 三九郎 じいさん ばあさん 孫つれて お団子焼きにきておくれ」という歌だが、知らない人は意外にも多い模様。

筆者が子供のころに歌っていたのは「〇月×日、三九郎やーい」といった歌詞だった。

が、なかにはかなりディープな歌をうたうところもあるようで・・・。

あなたの地域で開催される三九郎では、はたしてどのような歌がうたわれるのか。

良かったらコメントで教えてほしい。

三九郎に関するQ&A

三九郎に関するQ&Aをまとめた。

情報収集や問題の解決やヒントにどうぞ。

Q1:三九郎の繭玉の作り方をおしえて

A:三九郎で重要な「繭玉」の作り方は以下のとおり。

  1. 米粉にぬるま湯を少しずつ加えて混ぜる。
  2. 耳たぶくらいの硬さにこねる。
  3. 食紅で色を付ける。
  4. 蒸し器で20~30分蒸す。
  5. 蒸しあがったものを成型して完成

この繭玉を柳の木に刺して焼く。

これが三九郎の伝統的な楽しみ方である。

Q2:どんど焼きと三九郎の違いはなんですか?

A:特に違いはなく、名称が異なるだけ。

一般的には「どんど焼き」が有名だが、三九郎は長野県松本地域のみで呼ばれる固有名称である。

まとめ

長野県松本市の正月行事「三九郎」について解説した。

重要なポイントは以下のとおり。

  • 三九郎の由来は諸説ある
  • 歴史はよくわかっていない
  • 開催日は小正月(1月15日)だが土日に行われるケースがほとんど
  • 無病息災を願って歌をうたい、繭玉を焼いて食べる
  • 作り方や規模は地域によって異なる

三九郎は地域によってさまざまなので、追及したい人は実際にアクセスするか資料をあさりまくることをおすすめしたい。

 日本の祭りをもっと知りたい人向け


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