長野県は現在、外来魚の駆除に本腰を入れている。
その要因のひとつが「ブラックバス」による生態系破壊だ。
ブラックバスは北米に自然分布する食欲・繁殖力がきわめて強い淡水魚。彼らは日本の水系に悪影響を与えており、日本の在来魚を食べて個体数を減少させるなど”厄介魚”として知られている。
がしかし、今回はブラックバスそのものをテーマにするわけではない。
千曲川で問題となっていたブラックバスを食べることで駆除するというステキなニュースについてである。
千曲川を苦しめるブラックバス
私なんぞはバス釣り趣味ということもあってブラックバスは大好きな魚。
しかし、それはあくまで釣りにおける対象魚として、だ。
ブラックバス問題は全国各地の水系で生じており問題視されている。ここ長野県の水系も同様で、「千曲川」はなかでも深刻な問題を抱えた河川と言っても良い(※在来魚の多くがブラックバスに捕食されてしまい、生態系が大きく乱れてしまった)。
上田市はこの事態を重く受け止め、千曲川のブラックバス駆除に本腰を入れた。
がしかし、満足いくような結果は得られず・・・。
そんな中、真新しい駆除のカタチが浮上し話題となる。
そう、千曲川のブラックバスを食べて駆除するという試みだ。
ブラックバスを”食べて駆除する”プロジェクトの発足
千曲川の問題魚「ブラックバス」を食べて駆除するプロジェクトを報じたのはSBC信越放送「ずくだせテレビ」(2019/1/23放送分)だった。
これまでは闇雲に駆除(殺処分)されてきたブラックバスを食べて駆除するという逆転の発想。この素晴らしいアイデアは意外にも話題となり、肝心のブラックバスも美味しいと評判のようだ。
これを考案・発足させたのは上田市で有名な川魚料理店「鯉西」をはじめ、料理研究家、千曲高校食物栄養科の生徒、長野大学環境ツーリズム学部の生徒たち。彼らは一致団結し、ブラックバスを美味しく食べられるよう努力を重ねてきたらしい。
現在は鯉西のレギュラーメニューとして提供されているだけでなく、スーパーの店頭でも惣菜として売り出されている(※店頭販売は期間限定とのこと)。
いや、これはすげーことだよね。
何かと嫌われて食べられることがなかった魚を人気の魚に変えちゃったんだから。
ブラックバスはスズキ科の淡水魚。すなわち味も食感もスズキとよく似ているのだが、食用にならなかった最大の理由は生臭さがドイヒーという点だろう。
それが嫌で敬遠している人は多いんじゃないかと思う。だけどね、鯉西が提供するブラックバスはガチで美味しいらしく、店頭に並ぶとあっという間に売り切れてしまうらしい。
特に惣菜は連日完売だってさ。
同プロジェクトにおける具体的な情報は鯉西のホームページで確認できるので是非チェックしてほしい。
鯉西が提供するブラックバス料理メニュー
千曲川のブラックバス問題は努力が実を結び、改善へと向かっているようだ。
そもそもとして繁殖力の高いブラックバスを完全に駆除することは難しい。だったら千曲川の名物にしてしまえば、これまでの問題が解決するというわけだ。
現在のメニューラインナップはこんな感じ。
塩焼きは川魚をもっとも美味しくいただける定番の調理法。
ブラックバスだと「え・・・大丈夫??」と思ってしまうが、これが売れに売れているらしい(味も食感も完全にスズキなんだろうね)。
からあげや天ぷらも大人気らしい。
味は言うまでもなく見事なんだろうけど、価格も良心的だから売れてるんだろうなあ。
さつま揚げまで販売されているのは良い意味でビックリしたわw
ちなみにこれらのメニュー、当初は試食をかねての販売だったらしい。がしかし、想像以上に美味しかったことから各惣菜を購入して帰るお客がほとんどだったらしい。
きっと相当研究されたんだと思う。そうでないと誰からも認められる魚にはならなかったはずだし。
千曲川のブラックバス駆除がここまで明るく素晴らしいものになって本当に良かったね。
【総括】鯉西社長の心強いお言葉に涙ッ!
鯉西社長の西澤徳雄さんは番組内で「ブラックバス(の被害に)みんな困っている中で光を上田市から発信したい」とコメントしている。
千曲川の名物という呼び方はふさわしくはないと思うけど、増えに増えたブラックバスを食べて駆除するという文化が地域に根付き、それがやがて口コミで広がればブラックバスが千曲川の味として認知される可能性もあるかなと。
事実、「ずくだせテレビ」を観ていて美味しそうだったし、試食した方の反応が良かったからね。
鯉西社長をはじめ、プロジェクトに携わった方々に敬礼ッ!
引用:
SBC信越放送「ずくだせテレビ」2019/1/23放送分【1】
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