長野県東筑摩郡朝日村には心癒されるスポットがいくつも存在する。
今回レポートするのは西洗馬地区にある「光輪寺薬師堂(おやくし)」。
光輪寺薬師堂(おやくし)の特徴
- 長野県内では数少ない五間堂のひとつ
- 宝暦十年(1760年)建築の茅葺き入母屋造りの仏堂
- 長野県の県宝/朝日村の文化財
- とにもかくにも風貌が激シブ
- 百観音と多くの石仏や木曽義仲が植えたとされる桜の木がある
朝日村のおやくしは個人的に大好きな仏堂のひとつ。境内には見入ってしまう光景がいくつもあるので、朝日村の観光にはおすすめのスポットだ。
ハッキリ言って、本堂である光輪寺よりも見ごたえがある。激シブなその表情を見ていると、いつも「ちっぽけなことで悩むな」と背中を押してくれるような感覚になるのだ。
当記事は長野県東筑摩郡朝日村の西洗馬地区にある「光輪寺薬師堂」についてまとめた。
朝日村にある光輪寺薬師堂の特徴
光輪寺薬師堂は、1760年に建立された長野県の県宝に指定されている仏堂。入母屋造、茅葺で、平面の半分を吹き放しとする珍しい構造が特徴だ。
MAP
向拝や主体部には唐獅子や力士などの彫刻が施されており、かつては「西洗馬のおやくし」として広く知られていた。事実、周辺には薬師堂への道を示す石標が多く残っている。
境内には多くの石仏があり、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしていた。
「朝日村にそんな立派な仏堂があるの?!」と半信半疑な方もいるだろう。しかし、いざ実物を目にしたなら”おやくし”の魅力を秒で理解できるはずだ。
これは知識から考察するものでなく本能的にわかるものかと。
とにもかくにも、光輪寺薬師堂の存在感は言葉でいい表せない。激シブな風貌と独特の枯れ具合は他でみられない魅力を放っている。
朝日村にある光輪寺薬師堂の魅力
朝日村にある光輪寺薬師堂の魅力はいくつかある。
- 仁王門/仁王像
- 本尊
- 木曽義仲が植えたとされる桜の木
- 夫婦杉
- 石仏群
正直なところ、朝日村のおやくしはドがつくマイナーな仏堂だと思う。この手に詳しい人ならともかく、一般人のほとんどは存在自体を知らないはず。
しかし、ここは長野県にあるどの仏堂にも劣らない魅力をもっている。
ここでは、そんな光輪寺薬師堂の5つの魅力を紹介したい。
仁王門/仁王像
光輪寺薬師堂の入口には「仁王門」がある。
こじんまりとしているが、細かくチェックすると繊細さと力強さを感じる。
その内部に待ち構えている仁王像は実に立派。門をくぐるときはいつだって身が引き締まる。
褪せてきている感じもたまらない。
それでも迫力は写真のとおりだ。
なお、仁王門の横には光輪寺薬師堂について書かれた立て札がある。これを読めば、おやくしの概要をかんたんにインプットできるはずだ。
本尊
仁王門を抜けた先には圧倒的な存在感をはなつ「本尊」が顔を出す。
各地に存在する一般的な薬師堂は、吹き放し部が3分の1程度。しかし、朝日村の薬師堂は平面の半分を吹き放しとしている。これは実に珍しいケースになるため、観光をするなら注目したいポイントのひとつだ。
風貌はいつ訪れても変わらずシブい。
向拝の「頭貫(かしらぬき)」および「虹梁(こうりょう)」の木鼻は唐獅子と獏などの彫刻、主体部の中備には唐獅子と力士の彫刻がみられる。
これらの彫刻もまた光輪寺薬師堂の魅力といっても過言ではない。
ありとあらゆる角度から眺めても素晴らしい。
写真とテキストだけでは魅力を十分に伝えるのが難しい…。
とにもかくにも本尊は、いうまでもなくメインディッシュであり、一度みたら忘れられないほどの激シブで圧倒的な存在感をはなっている。
木曽義仲が植えたとされる桜の木
光輪寺薬師堂の境内には、木曽義仲が植えたとされる桜の木がある。
桜が満開の写真ではなく恐縮だが、その他シーズンでもその存在感は異常。逞しさと繊細さが感じられる桜の木だ。
詳細は近くに設置された案内板からチェックできる。
このように現在の桜の木は、植え替えられた2代目にあたる。されど、エネルギーの強さはいうまでもない。
夫婦杉
光輪寺薬師堂の境内には、立派な「夫婦杉」がある。
夫婦杉は至るところで見られるが、もともと2本だった木が寄り添いひとつになったことから「夫婦」と呼ばれるそうだ。
光輪寺薬師堂には多数の杉が立っているが、夫婦杉だけ存在感が異なる。
石仏群
光輪寺薬師堂の本尊右側に移動すると、「十一面観音像」をはじめ「如意輪観音」「千手観音」などの石仏群が並んでいる。
境内にある石仏群は以下のとおり。
- 西国・坂東・秩父の百体観音
- 四国八十八カ所
- 七観音
- 十三仏
- 弘法大師像
石仏群は合わせると200体を超えるらしい。
いずれもほとんどは元禄時代に作られたものだという。
それぞれ異なる表情をしているので、じっくり観察するとさまざまな気づきが得られる。
朝日村・光輪寺薬師堂に関するQ&A
朝日村・光輪寺薬師堂に関するQ&Aは以下のとおり。
Q1:長野県朝日村の光輪寺近くには何かありますか?
A:頂上から朝日村を見渡せる「山崎公園」をはじめ、田舎そばの人気店「ふじもり」、知る人ぞ知るラーメン店「まるなかや」がある。
自然も食も楽しめるエリアなので、それぞれを満喫してもらいたい。
Q2:朝日村の光輪寺は何が有名?
A:光輪寺本堂で有名なのは「枝垂れ桜」である。
朝日村の観光には間違いなくおすすめ。なお、薬師堂の木曽義仲が植えたとされる桜の木も写真撮影に最適だ。
まとめ
長野県朝日村の光輪寺薬師堂は、珍しい側面がある仏堂といっても過言ではない。風貌のよさはもちろん、木曽義仲が深く関連していたり石仏群が多かったりするため、歴史好きにはたまらないスポットかと。
朝日村の新鮮な空気も相まって、中信地方ではダントツでおすすめの仏堂である。
少しでも気になった方は、是非足を運んでみてほしい。
光輪寺薬師堂
神社仏閣をこよなく愛する人向け
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