松本ぼんぼんの歌詞から見える歴史と行事|「ぼんぼん」と「青山様」

松本ぼんぼんの歌詞から見える歴史と行事|「ぼんぼん」と「青山様」 長野県のローカル情報
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松本ぼんぼんの歌詞には地域の行事や歴史が含まれていますが、具体的な内容や意味について知りたいです。詳しく教えてください。

当記事はこんな疑問を抱えている方が対象。

松本ぼんぼんは長野県松本市で毎年8月上旬に開催される夏の一大イベント。地元の人々に愛されるお祭りのひとつであり、歌に合わせて市内を踊り歩くのが特徴だ。

そんな松本ぼんぼんの歌詞は、江戸時代から伝わる女の子の伝統行事「ぼんぼん」と男の子の行事「青山様」が融合した独特の風情を感じ取れる内容となっている。

当記事は松本ぼんぼんの歌詞から見える歴史と行事についてまとめた。この地域に根付いた伝統文化の魅力を探ってみようじゃないか。

記事の信頼性

  • 筆者は長野県出身で中信在住20年のWebライター
  • 長野県のあちこちで日々さまざまな経験と情報収集を重ねる(中信がメイン)
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松本ぼんぼんとは

松本ぼんぼんは長野県松本市の夏を代表するお祭り。毎年8月上旬に開催され、約21分間の踊りを7回繰り返す形で構成されている。

特徴は地元企業や小学校のグループが参加し「松本ぼんぼん」という歌に合わせて市内を踊り歩くこと。参加者は威勢のいい掛け声とともに踊りを披露し、街全体が活気に満ちあふれる。

また、踊りのコンクールとしての側面も持っており、近年では300以上のグループが参加し、総勢2万人もの人々が踊りを披露する大規模なイベントへと成長した。

松本ぼんぼんは地域の人々に深く愛されると共に、松本の夏の風物詩として欠かせない存在となっている。

松本ぼんぼんの歌詞

松本ぼんぼんの歌は4番まであり、全体としては約3分の長さ。1番と3番は女性の声、2番は男性の声、4番は混声で歌われている。

歌詞には地域の特徴や風景が描かれており、松本市の魅力が凝縮されているのが特徴だ。

 1番の歌詞

夏が ぼん ぼん
安曇野に
りんごこなしの 花咲けば
霧がながれて 髪ぬらす
信濃の娘の 髪ぬらす
堤燈ともした
松本 ぼん ぼん
ぼん ぼん 松本 ぼん ぼん ぼん×4回

 2番の歌詞

松本 ぼん ぼん
城のまち
山にみどりの 風吹けば
杉っぱ 青っぱ 青山さまが
堀のむこうから 町のつじ
どっこい じんじょ
どっこい じんじょ
ぼん ぼん 松本 ぼん ぼん ぼん×4回
どっこい どっこい じんじょ×8回

 3番の歌詞

蛍 ぼん ぼん
せゝらぎに
逢うて別れて 女鳥羽川
お城くろけりゃ 闇なお暗い
わたしの明かりじゃ なお暗い
堤燈ともした
松本 ぼん ぼん
ぼん ぼん 松本 ぼん ぼん ぼん×4回

 4番の歌詞

月が ぼん ぼん
山の尾根
筑摩深志の 里照らす
まわり山なら 峠みち
遠い町まで かよいたい
提燈ともした
松本 ぼん ぼん
ぼん ぼん 松本 ぼん ぼん ぼん×4回
どっこい どっこい じんじょ×6回
わーい わーい わーい

1番では安曇野のりんごの花や信濃の娘の髪を濡らす霧など、地域の自然を。2番では松本城や町の様子が描かれ、3番では女鳥羽川や蛍の光景が。4番では筑摩深志の里や山々の風景が描かれている。

各番の最後は「松本ぼんぼん」というフレーズをリピート。
こうして、祭りの名前が印象づけられるわけだ。

松本ぼんぼんの音源

松本ぼんぼんの歌詞の意味

松本ぼんぼんの歌詞に登場する「ぼんぼん」という言葉には、松本地方で昔から伝わる女の子の伝統行事に由来している。

そのひとつの「ぼんぼん」は夏に行われる行事で、女の子が浴衣姿になり、頭には紙で作った髪飾りを付け、提灯をぶら下げて町内を練り歩く。元々は先祖の霊を慰める行事だったとされており「ぼんぼんとても今日明日ばかり、あさっては山のしおれ草」という歌詞には、人生の儚さや時の流れの速さが表現されている。

松本ぼんぼんの歌詞は祭りの楽しさと同時に、人生の深い洞察を含んでおり、地域の人々の生活観や価値観を反映しているのだ。

松本ぼんぼんの歌詞に登場する2つの行事

松本ぼんぼんの歌詞には2つの伝統的な行事が反映されている。ひとつは女の子の行事「ぼんぼん」、もうひとつは男の子の行事「青山様」だ。

これらの行事は8月の初めからお盆前にかけて松本の城下町で行われる。

ここでは「ぼんぼん」と「青山様」について解説する。

女の子の行事「ぼんぼん」

「ぼんぼん」は松本地方で昔から伝わる女の子の伝統行事。8月の初めからお盆前にかけて行われ、参加する女の子たちは浴衣姿に身を包み、頭には紙で作った花を飾り、ほおずき提灯を手に持つ。

そして「ぼんぼんとても きょう明日ばかり あさってはお嫁の しおれ草」といった哀調を帯びたメロディーの歌を歌いながら町内を歩く。

かつては「盆を組む」と呼ばれ、女の子たちが互いに肩に手をかけて練り歩いていたという。また、先祖の霊をしずめる意味合いも持っているそうだ。

「ぼんぼん」は江戸時代以来の習俗を伝える全国的にも貴重な行事として有名。松本の夏の風物詩として深く地域に根付いている。

男の子行事「青山様」

「青山様」は松本地方で行われる男の子の伝統行事。青山神社という小さな幟を建てた神輿を担ぎ「青山様だい、ワッショイコラショ」などと声を掛けながら町内を巡る。

一般的には先の「ぼんぼん」と同時期に行われ、女の子の行列と一緒に町内を巡るケースが多い。

神輿には先祖の霊を迎えるとされる青杉が盛られ「青山仕立て」と呼ばれている。一部の地域では町内を巡る際にお賽銭を集める習慣もあるようだ。

起源は明治初年頃とされており、深志神社の例祭が済むと青山神社と称して杉葉神輿を担いで市内を練り歩くようになったと伝えられている。

青山様は男の子たちの勇ましさと地域の結束を象徴する重要な行事のひとつだ。

松本ぼんぼんは有名歌手が歌っている

松本ぼんぼんの歌は有名な歌手によって歌われている。

1番と3番の女性パートを担当しているのは声優の前川陽子さん。NHKのアニメソング四天王と呼ばれるほどの実力者であり「ひょっこりひょうたん島」「魔法使いサリー」「キューティーハニー」などのテーマソングでお馴染みだ。

2番の男性パートはオペラ歌手の大野徹也さんが担当。
国内外で活躍した実力者である。

このように松本ぼんぼんの歌は、プロの歌手たちによって歌われている。歌詞はもちろん、魅力的な作品になっている背景には彼らの歌声が影響しているのだ。

トリ~ビ~ア~~~♪

まとめ

松本ぼんぼんは長野県松本市の夏を彩る伝統的な祭りであり、その歌詞には地域の歴史と文化が色濃く反映されている。とくに「ぼんぼん」と「青山様」という2つの古くからの行事が融合し、現代に受け継がれている点は感慨深い。

また、歌詞に登場する地名や風景描写は松本の魅力を伝えるとともに、人生の儚さや時の流れを表現している点がたまらなくいい。きっとこのエッセンスこそが、たまに聞きたくなる現象の答えなのだろう。

 日本の祭りに興味がある人向け


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