松本市は極旨カレーの宝庫。
毎年開催される「松本カリーラリー」は人気イベントのひとつで、第6回(2020年度)はなんと90店舗が参加した。無論、参加店すべてがカレー専門店ではないけど、どれも個性的でウマウマなカレーを提供するんだよね。
古き良きカレーもあれば本格的なカレーまでさまざま。
今回紹介するのは松本市民から愛され続けるカレー&とんかつ専門店「キッチン南海」。
食べるだけで懐かしさと優しさを感じるカレーに涙しちまったのさ・・・。
実は都内で多店舗展開している「キッチン南海」
キッチン南海 松本店は松本市中央、イオンモール松本の隣にある昔ながらの洋食店(カレー・とんかつ専門)。
実はこのキッチン南海、東京で他店舗展開している。本店の神保町店から暖簾分けされた店舗が都内に11軒、関東圏に3軒、その他エリアは松本店の1軒のみ。つまりチェーン展開ではなく、暖簾分けをゆるされた独立店のみで構成されているのだ。
松本店のみ関東圏外なので不思議に思うが、その理由は本店の親族が経営しているから。
はじめて松本店に行ったとき、お母さんがやさしく接してくれてほんわかしたことを覚えている。一方でお父さんは料理に一心一意と言った印象。このひた向きな姿がグッと来るんだよなあ。
そんなステキな御夫婦が営業していることもあって松本店の人気は非常に高い。
レトロな雰囲気がただよう店内
キッチン南海 松本店の店内はレトロな雰囲気がただよっている。
昔ながらの洋食店のそれといったほうが適切かもしれない。けっして古すぎず新しすぎずな絶妙なバランスを持っている感じかな。それでいて気軽に入店できるし居心地が良い。
エントランスが何とも言えない懐かしさと優しさに包まれているんだよなあ。
レトロが点在しているので見ているだけでも楽しめる。
この昭和を感じずにはいられない床もたまらない。
この床が私たちに与える和み効果は大きいと思う。フロアマットが真新しいものだったらまったく印象が違うからね。
そしてキッチン南海 松本店の見所であるカウンター。
レトロ厨の私なんぞはこのカウンターの雰囲気だけで2時間以上はいられる。S&Bの缶、山の風景画、調味料の数々、メニュー、積み上げられた皿。すべてがこの空間を作り出すに欠かせない要素なのだ。
こんなん惚れるに決まってる。
唯一無二なんだから。
メニューはカレーと定食のみ
キッチン南海 松本店のメニューラインナップは「カレー」と「定食」のみ。カレーとトンカツを専門にしているだけあって、メインはそれらになるが、定食メニューにはしょうが焼き、エビフライなどもある。
バリエーションとしてはカレーが9品、定食が8品(上写真)。大盛りは一律+150円となっている。ドリンクはビール(中びん)、コーラ、オレンジジュース、コーヒーのみ。
なお、ビーフは辛口仕様だ。
ほとんどの方がカレーを注文するが、定食人気も非常に高い。いろいろと欲張れるコンビ定食を注文すれば、至福の時を味わえること間違いなし。
また、テイクアウト(お持ち帰り)も可能。自宅でゆったりキッチン南海のカレーを堪能したい方におすすめかな。ただし、パック代が50円かかると共にとん汁はつかないのでご注意を。
このようにメニューラインナップは極めてシンプルだが、キッチン南海にそれ以上は必要ない。現状メニューだけで十分に満足できるし、他店では味わうことのできない料理を食べられるからだ。
昔ながらのシンプルなカレーに涙しちまったぜ…
キッチン南海 松本店のカレーは古き良きシンプルな仕上がりとなっている。
現代カレーの多くは調味料をあれやこれやと入れて食べやすく仕上げるが、キッチン南海は余計なものを一切入れない。どこまでもオーソドックスで真っ向勝負しているカレーなのだ(味付けはマイルド)。
特に感動したのは甘みに頼っていない点。
絶妙な塩味とスパイスの加減が成立しており、カレーという料理の奥深さを教えられたような気がした。それに食べれば食べるほど、懐かしさと優しさを感じるんだよね。
これはきっとお父さんとお母さんの人柄から来ている部分もあると思う。いや、店内のレトロな雰囲気も影響しているのかな。それと限りなく味噌汁ライクなとん汁も。
何というかすべての要素が一杯のカレーに吸収されて唯一無二の料理になるようなそんな感覚。
満足感がその他カレーとは大きく違うんだよな。
もうさ、すべてに感動しちまって涙目で食べたよ(ランチタイムで客が大勢いたから泣くわけにいかなかった)。まあ、辛くて泣きそうなんだなって思われただろうから別にいいんだけど。苦笑
こうして私はキッチン南海の虜になったお。
ホントここのカレーは真似できないし絶品だわ。
【総括】いつまでも大切にしなければならない貴重なお店
カレーはもちろん、店の雰囲気、御夫婦の人柄など、すべてが尊いキッチン南海 松本店。
やっぱり昔ながらの洋食店って替えがきかないね。
一度行っただけでここまで魅了された飲食店はここがはじめてかもしれない。キッチン南海のカレーはそれほどまであらゆる情報が詰まっていた。
カフェ深山の100年前のライスカレーとはまた別の何たるかを考えさせられたね。
いつまでも大切にしなければならない貴重な飲食店だなと思ったよ。
キッチン南海、愛してるぞー!
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