秋の牛伏川フランス式階段工に行ったとき、牛伏寺から鉢伏山へと続くトレッキングコースがあることを知った私は近日中に同コースに挑戦しようと思っていた。
山育ちであるものの登山やトレッキング経験はなし。
アウトドアといえば釣りくらいだけど、余計なことは考えずに挑戦しようと。
以前からキャンプをしようと思っていたもののなかなか実行できず、アイテムばかり揃っていましたが、トレッキングに使えるものがいくつかあり、衣類に関しては釣りに用いるもので用が足りるのでトレッキングシューズと応急キットのみを新たに購入し、単身でのトレッキングを決意。
2018年11月上旬、まったくの初心者である私が無謀にも牛伏寺~鉢伏山コースに挑戦した記録をまとめましたよっと。
牛伏寺~フランス式階段工

スタート地点:牛伏寺駐車場
午前10:30、牛伏寺駐車場よりトレッキング開始。
まだこの時点ではワクワクが勝り、完全にトレッキング(というか登山)を舐めきっている状態でしたね。
砂防ダムからフランス式階段工への道のりはどうってことないので、自然を感じながらスイスイ歩く。
そしてフランス式階段工へ到着。

秋のフランス式階段工

もはや芸術といっても過言ではないフランス式階段工。紅葉観覧に来た方で溢れていた。
フランス式階段工から遊歩道(土)になり、勾配が加わる。
汗かきな私はすでにこの時点でインナーとハットがビショビショ。
暑さに耐え切れなくなったのでアウターを脱ぎ、水をガブ飲み。
初めて履いたトレッキングシューズの重さになかなか慣れず、強引な歩き方になっていたかもしれない。これが原因なのか、早くも足への負荷を感じはじめました。
とはいえ、スタミナはまだまだ問題なし。

この地点から一気に人気が消える
奥へと入っていくに連れて紅葉観覧をする人々が次第に減り、いよいよ本格的なトレッキングコースのはじまりと感じる地点からは完全に人気がなくなりました。

第三号石堰堤
沢を歩くってのは釣り人からするとたらまない時間でもあります。
もっとも今回は釣りではなくトレッキングなので目的は別ですけど・・・。

第四号石堰堤
ちょうどこの辺りから息が荒くなってきたかな。
まだまだ序盤なのに・・・と不安になったものの、特に大きな問題はなく「松建小屋」へ到着しました。
松建小屋~車道交点

松建小屋
10:57、松建小屋へ到着しました。
ここで一息しようと思ったのですが、ご家族が休憩されていたのでそのまま進行。
思い返せば、この地点から本格的なトレッキングというやつのはじまりでしたね。階段もどきにはなっているものの、急勾配で疲労が蓄積、こまめに休んでは水分補給をして気合を入れ直すの繰り返し。
そして、トレッキングを舐めていたことを痛感。
とはいえ、これも普段日課としているジョグと筋トレの延長だと言い聞かせ、滝のような汗をかきながらひたらすら登り続けました。
もはや自然を感じながら心地よく登る余裕などなく、鉢伏山への距離が書かれた表札を確認して苦痛から開放されるのはまだかといった状態。
そしてようやく鉢伏山まで3kmの標識。

この時点でモチベーションは大きく低下していた
しかし、山における標識はあくまで目安でしかないことを痛感。
地上では3kmなど大した距離ではないものの、山における3kmはとてつもなく長く感じるわけです・・・。
体感ではそれなりに歩いたはずなのに次に姿を現した標識は「鉢伏山まで2.9km」。
おいおい、たった0.1kmってどないやねん・・・。

鉢伏山まで2.9km地点
もも辺りが張ってきて足の筋肉全体に疲労を感じるようになったものの、ガッツリ休むと気力が一気になくなりそうな気がしたので昼休憩までは我慢。たまに足を止めて数分ほど足を休める程度にしてとにかく登り続けました。
そして松本平を展望できるスポットへ到着。

この展望スポットはオススメかも
ここで休もうかと思ったけど先客アリだったので気力を振り絞って「ブナの木権現」⇒「車道交点」へ。

「車道交点」でお昼休憩
時刻は11:57分。
お昼休憩にちょうどいいのでここで昼食。
すでにインナーは汗まみれで全体濡れている状態。
ハットも全体的に湿っていたので、日光にあてて乾かしながらおにぎり1個とサンドウィッチを1個むしゃむしゃ。
およそ20分ほどのお昼休憩を終えてからアスファルトに沿って鉢伏山を目指しました。
鉢伏山~牛伏寺

途中、諏訪湖が見える
あとは鉢伏山を目指すのみ!と気力は回復したものの、鉢伏山荘までの道のりはしんどかった・・・。
アスファルトなので登りやすいのは事実だけどなかなかたどり着かないイライラ。汗
途中から山荘が姿を現すが歩けども歩けどもなかなか距離が縮まらない感覚に、またも心が折れそうになるものの無心を心がけてひたすら歩く。途中、シカと思われる糞が各所で見られ高地であることを再認識。

どうやら鉢伏山山頂は草原になっている様子
何とか歩き続け、ようやく山荘へ到着。
このとき時刻は12:49。

鉢伏山 山荘入口
山頂までわずか、さらに道もゆるく整理されているので少々休んでから登りはじめました。
しかし、その道中でこれまでがハイペース過ぎたのか足の筋肉(もも)がつりそうに・・・。
つったらマズイのでしばらく腰を降ろして休憩。
張りが収まるのを待ってから歩きはじめました。
足の不安はありましたが、山頂はあっという間に到着。
時刻は13:10。

鉢伏山 山頂
待っていたのは絶景でした。
松本平も諏訪湖も展望できるなんて贅沢すぎる!!

松本平を一望

諏訪湖
山頂ではゆっくりする予定だったけど、雲行きが怪しくなってきたので早々に下山。
まだ帰り道をたどらないといけない。
アスファルトの下りは余裕だったものの、車道交点から牛伏寺を目指す山道はふたたび地獄のはじまりでした・・・。
下りのほうがキツイことは理解していましたが、何より地獄と感じたのは「足の爪が痛むこと」。
最初はスイスイ下っていけたのですが、徐々に足の爪が痛み出し、途中からはサイドステップを踏むような形で下りないと厳しい状態までに悪化。
帰りは来た道を戻るのではなく、別ルートを選択したのが間違いだったかも。
なんとか牛伏寺付近まで下ったものの、鉄柵が設けられているところで迷う・・・。
あの付近は目印が不親切で道に沿って歩く以外にコースを確認する術がない。とはいえ、その道は落ち葉で覆われているだけでなく、倒木などもあって確認しづらい状態でした。
なんとか道っぽい道をたどったところ牛伏寺に辿りついたのですが、おかしいんですよね・・・。

牛伏寺
私が選択したルートは駐車場に出るはずなのですが牛伏寺の裏側(正確に言うと聖徳太子殿の裏)に出ました。
完全に道を間違えたことがわかりますし、危うく遭難(まあ、牛伏寺が近く携帯の電波もフルだったのでなんとかなった思いますが)なんて可能性もあったかなと。
ちなみに牛伏寺裏に到着したのは14:43。
やはりトレッキングというか登山は舐めてかかってはダメですね。
できるなら1人ではなく複数名でパーティーを組んで出かけるべきだと学習しました。
無事に帰還させていただいてありがとうございますと、牛伏寺に感謝しつつ痛めた足をかばいながら帰宅しました。
人生初のトレッキングを終えた感想

凛々しい牛伏寺の仁王門
ごめんなさい、本当にトレッキングを舐めてしました。
それにハイペースすぎて自虐したのだと反省しています。
(おまけに足の爪もよく切らずに出発したり)
とはいえ、今回の人生初トレッキングで得たものは計り知れない。
自然を満喫できること、絶景を楽しめること、そして生きているということを実感できること。
山はいろいろなことを教えてくれるのだと。
何となくですが、登山者が山に登る理由がわかった気がします。
すぐにまたトレッキングしたいという気持ちにはなれませんが、また登りたい気持ちは十分にあります。
次はキャンプ道具をいくつか持っていき、自然の中でゆったりご飯を楽しみながら登れればと。
ではでは。