2019年11月26日号の市民タイムスより。
ワカサギ釣りで有名な「美鈴湖」が、生態系を崩壊する「ブラックバス」の駆除調査をスタートしたらしい(※ブラックバスは国の特定外来生物に指定されている)。
効果的な駆除方法の検討を目的に、特定外来生物オオクチバスに小型発信機を付けて再放流し、越冬場所を追跡する調査が美鈴湖で始まりました。https://t.co/KWTAD9zSVX #松本市 #美鈴湖 #オオクチバス #市民タイムス
— 市民タイムス(ゆるやかに公式) (@timesfsp) November 26, 2019
美鈴湖はかつてバス釣りで有名な湖だった。しかし、マナーの悪い釣り人が急増したことで、沓沢湖のように無法地帯化した経緯がある。
これによりバス釣りは全面禁止となったが、現在もブラックバスは生息。ワカサギを捕食してしまうため、ついに松本市が本格的な駆除に向けて動いたというわけだ。
美鈴湖におけるブラックバス駆除の目的
美鈴湖におけるブラックバス(オオクチバス)駆除の目的は「ワカサギ釣りの振興」だ。
美鈴湖は平成27年よりワカサギ釣りが復活。
2019年時点で6年目を迎えた。
ワカサギ釣りは好評で、多くの釣り人がSNSやブログなどで高い評価をつけている。人気の理由は、釣りの知識がなくとも子供から大人まで楽しめるためだろう。
しかし、国の特定外来生物「ブラックバス」の捕食性は凄まじい。ワカサギは格好の獲物なので、駆除をしないかぎり商売が成り立たない可能性があるわけだ。
そして、この記事である。
松本市(美鈴湖)は現在までに1562匹のブラックバスを駆除したと発表している。
されど、ブラックバスの繁殖力は計り知れない。完全駆除は専門家でない素人から見てもほぼ不可能だと判断できるほどだ。
それでも松本市は諦めなかった。
2019年11月、美鈴湖におけるブラックバス駆除にむけた本格的な調査を開始。一網打尽にする策を見出したようだ。
ブラックバスに発信機をつけて越冬場所を特定
松本市は美鈴湖で捕獲したブラックバス5匹に発信機を取り付けて再放流。
越冬で一定の場所に集まり、ほぼ動かなくなるブラックバスの習性を狙い、11月から12月にかけて場所を特定して一網打尽にする狙いを定めた。
ちなみに松本市はこれまでにさまざまな方法を用いたが、活性が低くなる冬は一切捕獲できなかったそうだ。
私はバス釣りをこよなく愛する人間なので、ブラックバスが駆除されることは正直複雑だ。しかし、そもそもとして美鈴湖はバス釣りが許可されたフィールドではない。そう、ワカサギ釣りのフィールドなのだ。
よって、今回の駆除は納得できる。
しかし、ブラックバスの繁殖力を考えると、完全駆除は無理かと。
ワカサギが捕食される被害は抑えられるかもしれないが、はたして・・・・。
長野県はブラックバス駆除にガチ
長野県は現在ブラックバス駆除に積極的だ。
至るところで駆除が進行している。
その背景は、県が釣りと観光をセットで提案する観光施策「釣ーリズム」を推進しているため。よって、対象魚を捕食するブラックバスやブルーギルの駆除に本気というわけだ。
無論、これは長野県にかぎった話ではない。
外来魚駆除の促進は全国で実施されている。
いずれにしても長野県はそれを受託したのだ(ちなみに2019年度の駆除予算は120万円)。
なお、上田市の千曲川ではブラックバスをただ駆除するのではなく、“食べて駆除する”という方法を用いている。
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【総括】美鈴湖のワカサギ釣りが繁盛することを切に願う!けど・・・・
美鈴湖のブラックバス駆除は、ワカサギをはじめとする在来魚の生態系を取り戻す意味もある。あるべき姿に整えることは重要なことだ。
記事によると、他県では昨年の時点で越冬場所を特定する成果はあげられているらしい。それはすなわち、美鈴湖においても朗報を聞ける可能性があるということだ。
しかし、ブラックバスがただ駆除されていく現実は受け止め難い・・・・。
そもそも悪いのは放流した人間。
ブラックバスはただ生きているだけなのだ。
結局、生態系を崩壊させるのはいつだって人間である。
なんとも複雑だ。
引用:市民タイムス 2019年11月26日号「オオクチバス駆除へ調査」
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