【道祖神】塩尻市洗馬小曽部川のほとりを歩く【散策】

【道祖神】塩尻市洗馬小曽部川のほとりを歩く【散策】 長野県のローカル情報

2018年11月下旬。
以前から気になっていた塩尻市のとある地域を散策した。

洗馬にある小曽部(こそぶ)

今回はとくに小曽部川と道祖神をメインにめぐってみようかと。

ぶっちゃけ、小曽部川は長野県のなかでもかなりマイナー。道祖神も他エリアが注目されているため、散策で訪れる人は極めて稀といっていいだろう。

がしかし、小曽部地区は自然を満喫するには最高だし、釣りもそこそこ楽しめる穴場。

当記事は塩尻市洗馬にある小曽部川のほとりを散策したレポートである。

記事の信頼性

  • 筆者は長野県出身で在住歴20年の企業メディアライター
  • 長野県のあちこちで日々さまざまな経験と情報収集を重ねる(中信がメイン)
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塩尻市洗馬にある小曽部地区とは

塩尻市洗馬にある小曽部(こそぶ)は、洗馬西部に位置する地区。中央を流れる小曽部川が奈良井川と合流する氾濫原とその周辺によって形成されている。

 洗馬地区

特徴としては豊かな自然環境に恵まれており、とくに小曽部白滝が有名。

白滝 · 〒399-6462 長野県塩尻市
★★★★★ · 観光名所

からたきの峰(1,857m)を水源とし、約13mの落差を持つこの滝は豊富な水量と優雅な流れが魅力。塩尻市のマンホールのふたにもデザインされるほどだ。

地理としては奈良井川沿いの段丘上に形成された本洗馬地区とは異なり、川の合流点付近の低地に位置している。この立地は地域の農業や生活に影響を与えてきたようだ。

また、周辺には畑や古民家なども残されており、伝統的な農村景観も見られる。

このように小曽部は自然があふれる地区。
小曽部川のほとりを歩けば、道祖神やいくつかのスポットなどの発見を楽しめる。

小曽部川のほとりを散策

小曽部を散策したのは2018年11月下旬。

「散策ついでに釣りなんぞも・・・」と一瞬考えたが、時期はすでに禁漁。どうにもならないので小曽部川のほとりを散策することにした。

以降はそのレポートである。

まずは「堂平公園」を目指す

まずは小曽部地区にある「堂平公園」前の駐車場を目指す。

小曽部に入るまではどうってことない道だったのだが、地区に突入した途端になかなかの集落っぷりを味わった。

途中、対向車が来ないかヒヤヒヤした箇所があり「実はとんでもないところを目指しているのでは・・・?」という不安に襲われる(道はけっこう狭いのでデカい車は苦労するかも)。

小曽部の道

「堂平公園」手前の車道

辺りは自然and自然and自然。
道にはヒヤヒヤするものの、周囲を眺めているだけで癒される。

お隣の朝日村も自然を楽しめるけど、小曽部もまたそうかもしれない。

そんな田舎ならではの落ち着く風景を見ながら車を走らせていると「堂平公園」駐車場に到着。

写真奥が公園、ガードレールより右側が駐車場、左奥には蕎麦屋がある

写真奥が公園、ガードレールより右側が駐車場、左奥には蕎麦屋がある

念のため、熊よけの鈴(小曽部は熊の出没が多い地域として有名)をリュックにセットし、小曽部川に沿って登っていくことにした。

さーて、どんな感動が待っていることやら。

馬頭観世音がお出迎えしてくれた

駐車場から歩くこと数分。

「馬頭観世音」と書かれた石碑がズラリと並んでお出迎えしてくれた。

小曽部の石碑

小曽部の石碑

表現としては適切でないかもしれないが、非常に可愛らしいサイズ感。不思議とそこに立ち止まり見入ってしまうんだよね。

存在が気になったので調べてみたところ、馬頭観音は”煩悩を断つ功徳がある”そうだ。

大小さまざまな石碑

大小さまざまな石碑

なかには可愛らしい石像もある

なかには可愛らしい石像もある

さらに小曽部川に沿って歩いていくと、さまざまな道祖神や石碑が登場。おまけに小曽部川の良きポイント(釣りで)があったりしてワクワクした。

ちなみに小曽部川は一部の釣り人に支持されている。
こじんまりとした川だが水質はクリアで美しい。

ヤマメやイワナが生息する清流「小曽部川」

ヤマメやイワナが生息する清流「小曽部川」

小曽部川を見ながら歩いていると釣り欲求に駆られまくる・・・。

ある程度開けた場所で釣りをしながらソロ飯したらそりゃあ至福だろうね。

出逢い道祖神と向い道祖神

いろんな妄想をしながら歩いていると、お次は可愛らしい「出逢い道祖神」が姿を現した。

出逢い道祖神

出逢い道祖神

散策好きなカップルはこの道祖神を是非とも見に行ってほしいね。

心温まるし、何か心に響くものがあるかもしれない。

さらに上を目指すと今度は「向い道祖神」が姿を現した。

向い道祖神

向い道祖神

あまり手入れがされていないようで残念・・・

あまり手入れがされていない様子・・・

どうやらこちらの道祖神も愛が絡んでいるらしい。
おいおい、野郎ひとりが散策するところじゃなかったか?(苦笑)。

さまざまな道祖神と石碑に出会う

他にもさまざまな道祖神・石碑がお出迎えしてくれてほんわかした

ただ残念なことに「出逢い道祖神」以外はあまり手入れがされていない印象だった。なかには周囲が荒れていて勿体ないというか「これでいいの?」と感じたね。

無論、すべてではないよ。

しっかり手入れされているものもあるし、激シブな表情をしたものもあったりで十分楽しめたし。

この風貌、激シブ。
立派な雰囲気がただよっていた。

先ほど同様に可愛らしい石碑も登場。

さらには子供の頃よく目にした古い看板もあったりで別の感動も味わえた。

ハリカの看板はお馴染みだよね?

ハリカの看板はお馴染みだよね?

ここまでの道中、疲労感はゼロ。
きっとさまざまな発見や喜びがあった影響だろう。

無理なく休憩しながら散策しようと決めていたが、トレッキングと比べたらヒヨッコレベルなのでこのまま先を目指すことにした。

焼き肉店「牛仙(閉業)」から先は歴史スポットあり

かつての焼肉の名店「牛仙(閉業)」を過ぎると、興味深い歴史スポットが連続して登場した。

知る人ぞ知る焼肉店「牛仙」

知る人ぞ知る焼肉店「牛仙」

第1発目は「飯綱稲荷神社樹叢」

飯綱稲荷神社樹叢

飯綱稲荷神社樹叢

飯綱稲荷神社樹叢(いいづないなりじんじゃじゅそう)は塩尻市の天然記念物。

パッと見、どういった存在なのかわからなかったので調べてみると・・・

わずか59平方メートルたらずの小面積の社殿の脇に、ヒノキ、イヌザクラ、イチイなどの巨木がそびえている。イチイは、陰樹で成長がきわめて遅いが、ここの木は特に主幹が美しい。イヌザクラは本州北部から四国・九州の山地や丘陵地の日向に分布するが巨木は少ない。

引用:塩尻市観光ガイド「時めぐり」

なるほどそういうことか。

このような具体的解説がないとその良さに気付かず移動してしまいそう・・・。付近に案内板くらいは設置したほうがいいかもしれない。

さらに先に進むと次は「木曽義仲 馬の足跡」が登場。

木曽義仲 馬の足跡の看板

木曽義仲 馬の足跡の看板

ここは文字どおりの歴史スポット。

「朝日将軍は岩に足跡がつくほどの駿馬に乗っていた」とのこと。

こちらには解説書きアリ

こちらには解説書きアリ

ガードレール先にある川へ降りていくと、岩のなかに”足跡”とされるくぼみを確認できる。

わかりにくいけど手前のくぼみが足跡らしい

わかりにくいけど手前のくぼみが足跡らしい

木曽義仲の足跡もいいんだけど、小曽部川の美しい表情に感動しちゃったな。

嗚呼、釣りしてえ・・・。

一ノ木戸 聖泉で一杯いただく

そんなこんなで歩いて数分すると「一ノ木戸 聖泉」が姿を現す。

一ノ木戸 聖泉

一ノ木戸 聖泉

いわゆる「湧き水」。

長野県では有名な湧き水スポットのようで地域住民から親しまれているとのこと。

喉が渇いていたので一杯いただいたが、澄み切っていて飲みやすかった

落ち葉で微妙な画だけど湧き水はウマウマ

落ち葉で微妙な画だけど湧き水はウマウマ

ここももう少し整備したほうがいいかも・・・勿体ないと思うんだわ。

ちと残念に思いながら歩いていくと、別荘と思われる住宅をいくつか目にした(あきらかに地域住民が暮らす家とは異なるそれ)。うんうん、これだけの美しい自然が溢れているわけだから好きな人にはたまらない場所だろうな。

そしてこんな看板も。

味のある字で書かれた「芝桜まであと800」

味のある字で書かれた「芝桜まであと800」

さらに「渓流魚の在」というシブい施設も見つけた。

渓流魚の在

渓流魚の在

おそらく養殖場だと思うけどこういう建物すこ。

クマとの遭遇をおそれ「上小曽部浮水場」で引き返す

さらに歩いていくとまたまた石碑がお出迎え。

もっと上を目指せば、塩尻市の名スポット「白滝」を見れるけど、さすがにクマと遭遇するのが恐ろしくて上小曽部浮水場でUターン。

塩尻市上水道「上小曽部浮水場」

塩尻市上水道「上小曽部浮水場」

小曽部の自然と道祖神は素晴らしかった。立地からして冬はいろいろと生活が厳しかもしれないけど夏は冷涼で良さそうだね。

良き散策になったわい。

まとめ

コンクリートばかりが立ち並ぶ現代のなか、塩尻市洗馬小曽部は大変貴重な地域だと感じた。

なんていうのかな、田舎が持つ”贅沢”に触れた気がするのよ。

現代は便利になりすぎていて人情が薄まっているんじゃないかと。モノが溢れていなくとも最低限のモノだけで十分幸せな暮らしはできるのだと。

小曽部はそう感じさせてくれた。

ありがとう、小曽部川。
次は白滝を目指そうと思ふ。

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