2018年11月下旬。以前から気になっていた塩尻市のとある地域を散策した。
それは洗馬地区にある小曽部。
今回はそのなかでも小曽部川と道祖神をめぐってみようかなと。
ぶっちゃけた話、小曽部川は長野県のなかでもかなりマイナー。道祖神としても他エリアが注目されていることもあって散策で訪れる人は極めて稀と言っていいだろう。
がしかし、このエリアは自然を満喫するには最高だし、釣りもそこそこ楽しめるんだよなあ。
ということでこの記事では塩尻市洗馬にある小曽部をめぐった記録をば。
まずは「堂平公園」を目指す
塩尻市洗馬小曽部を散策したのは2018年11月下旬のこと。
「散策ついでに釣りなんぞも・・・」と一瞬考えたが、時期はすでに禁漁。ということで小曽部川のほとりを散策することにした。
まずは「堂平公園」前の駐車場を目指す。
小曽部に入るまでの道はどうってことなかったんだけど、そこからはなかなかの集落っぷりだった。
途中、対向車が来ないかヒヤヒヤした箇所もあり、「実はとんでもないところを目指しているのでは・・・?」という不安に襲われる(道はけっこう狭いのでデカい車は苦労するかも)。
それでもあたりは自然and自然and自然!何となく眺めているだけでも癒されるんだよね。
お隣の朝日村も自然を楽しめるけど、ここもまたそうかもしれない。
そんな田舎ならではの落ち着く風景を見ながら車を走らせていると「堂平公園」駐車場に到着。
念のため熊よけの鈴(小曽部は熊の出没が多い地域として有名)をリュックにセットし、ここから上を徒歩で散策することにした。
さーて、ここではどんな感動が待っているのかねえ~。
多種多様な道祖神と石碑がお出迎えしてくれた
駐車場から歩くこと数分。
「馬頭観世音」と書かれた石碑がズラリと並んでお出迎えしてくれた。
表現としては適切でないかもしれないが、これらは非常に可愛らしいサイズ感。不思議とそこに立ち止まり見入ってしまうんだよね。
存在が気になったので調べてみたところ、馬頭観音は”煩悩を断つ功徳がある”そうだ。
さらに小曽部川に沿って歩いていくと、さまざまな道祖神・石碑・歴史スポットが登場。おまけに小曽部川もなかなかいいポイントがあったりしてワクワクした。
ちなみに小曽部川は一部の釣り人に支持されているらしい。非常にこじんまりとした川だけど水質はクリアで美しい風景が多々ある。
小曽部川を見ながら歩いていると釣り欲求に駆られまくる・・・。
ある程度開けた場所で釣りをしながらソロ飯したらそりゃあ至福だろうね。
と、小曽部川での釣りをイメージしながら歩いていると、お次は可愛らしい「出逢い道祖神」が姿を現した。
散策好きなカップルはこの道祖神を是非とも見に行ってほしいね。
心温まるし、何か心に響くものがあるかもしれないよ。
さらに上を目指すと今度は「向い道祖神」が姿を現した。
他にもさまざまな道祖神・石碑がお出迎えしてくれてほんわかしたなあ。
ただ・・・残念なことに「出逢い道祖神」以外はあまり手入れがされていない印象だった。なかには周囲が荒れていて勿体ないというか「これでいいの?」と感じたね。
無論、すべてではないよ。
しっかり手入れされているものもあるし、激シブな表情をしたものもあったりで十分楽しめたし。
それに子供の頃よく目にした古い看板もあったりして別の感動も味わえたわw
ここまでの道中、さまざまな発見や喜びがあった影響か疲労感はゼロ。
無理なく休憩しながら散策しようと決めていたが、トレッキングと比べたらヒヨッコレベルなのでこのまま先を目指すことにした。
「牛仙」から先は歴史スポットあり
隠れた焼肉の名店「牛仙」を過ぎると、興味深い歴史スポットが連続して登場した。
その第1発目は「飯綱稲荷神社樹叢」。
飯綱稲荷神社樹叢(いいづないなりじんじゃじゅそう)は塩尻市の天然記念物。
パッと見、どういった存在なのかわからなかったので調べてみると・・・
わずか59平方メートルたらずの小面積の社殿の脇に、ヒノキ、イヌザクラ、イチイなどの巨木がそびえている。イチイは、陰樹で成長がきわめて遅いが、ここの木は特に主幹が美しい。イヌザクラは本州北部から四国・九州の山地や丘陵地の日向に分布するが巨木は少ない。
なるほどそういうことか。
このような具体的解説がないとその良さに気付かず移動してしまいそう・・・。付近に案内板くらいは設置したほうがいいかもしれない。
さらに先に進むと次は「木曽義仲 馬の足跡」が登場。
ここは文字どおりの歴史スポット。
「朝日将軍は岩に足跡がつくほどの駿馬に乗っていた」とのこと。
ガードレール先にある川へ降りていくと、岩のなかに”足跡”とされるくぼみを確認できる。
木曽義仲の足跡もいいんだけど、小曽部川の美しい表情に感動しちゃったな。
嗚呼、釣りしてえ・・・。
そんなこんなで歩いて数分すると、「一ノ木戸 聖泉」が姿を現す。
これはいわゆる「湧き水」。
長野県では有名な湧き水スポットのようで地域住民から親しまれているとのこと。
喉が渇いていたので一杯いただいたが、澄み切っていて飲みやすかった。
ここももう少し整備したほうがいいかも・・・勿体ないと思うんだわ。
ちと残念に思いながら歩いていくと、別荘と思われる住宅をいくつか目にした(あきらかに地域住民が暮らす家とは異なるそれ)。うんうん、これだけの美しい自然が溢れているわけだから好きな人にはたまらない場所だろうな。
そしてこんな看板も。
さらに「渓流魚の在」というシブい施設も見つけた。
おそらく養殖場だと思うけど、こういう建物大すこ。
さらに歩いていくとまたまた石碑がお出迎え。
もっと上を目指せば、塩尻市の名スポット「白滝」を見れるけど、さすがにクマと遭遇するのが恐ろしくてこちらの施設でUターン。
小曽部の自然と道祖神は素晴らしかった。
立地からして冬はいろいろと生活が厳しかもしれないけど夏は冷涼で良さそうだね。
良き散策になったわい。
【総括】田舎が持つ”贅沢”に触れた気がする
コンクリートばかりが立ち並ぶ現代のなかで、塩尻市洗馬小曽部という地域は大変貴重な地域だと感じた。
なんていうのかな、田舎が持つ”贅沢”に触れた気がするのよ。
現代ってさ便利になりすぎていて、人情というものが薄まっているんじゃないかと。
ものなど溢れていなくとも最低限のものだけで十分幸せな暮らしはできるものなんだよね。
小曽部はそう感じさせてくれた。
ありがとう、小曽部川。次は白滝を目指そうと思ふ。
塩尻市洗馬小曽部「堂平公園」付近
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