ここ長野県のローカル番組はどれも信州らしく落ち着いた番組が多い。しかし、NBS長野放送がその昔放送していた「土曜だ!ぴょん」だけは違った。
今でも鮮明に覚えてて、長野県におけるローカル番組のバラエティ部門ではレジェンド級だと思っているのが『土曜だ!ぴょん』。
県内番組らしからぬ冒険ぶりで、NBSとしては攻めに攻めた番組。
皆さんは覚えておられるでしょうか?
近々記事にします。#土曜だぴょん#長野放送#私の青春 pic.twitter.com/XwOaWFgpVv
— ショギョウムジョウ | 長野県中信メインのローカル情報ブログ (@shogyomujo_n) January 2, 2020
「土曜だ!ぴょん」は、現在大活躍中の土田晃之さんをメインMC、中継に劇団ひとりさんを起用していた信州伝説のローカルバラエティ番組。
その評価は今現在も高い。
「土曜だ!ぴょん」の特徴
- ①:土田晃之さんと番組Dがローカルでできる限界を攻めた
- ②:内容は全国ネットのバラエティに匹敵
- ③:笑ってしまうシーンのオンパレード
- ④:ローカル番組特有のつまらなさを排除
- ⑤:どこまでもお笑いにこだわった
ハッキリ言って、この番組を超える存在はもう二度と現れないと思う。
それほどまでに凄すぎたのだ。
当記事は、そんな長野県のローカル番組「土曜だ!ぴょん」をまとめている。私のようなマニアに向けた備忘録的記事なので悪しからず。
「土曜だ!ぴょん」って何ぞ?
「土曜だ!ぴょん(正式名称は「YOU・遊・気分 土曜だ!ぴょん」)」は、NBS長野放送で2001年10月から2003年まで放送されていた長野県の魅力を紹介するローカル番組。
メインMCは次のとおり。
- 土田晃之さん(お笑い芸人・元Uターン)
- 御影倫代さん(元長野放送アナウンサー)
スタジオの並びはこんな感じ。
さらに番組のマスコットキャラクター「どよぴょんくん」を、お笑い芸人の劇団ひとりさんが担当(主に宮本アナとロケ中継する立場)。
番組は常に笑いがあふれ、地方のローカル番組とは思えないほど。バラエティ色がどこまでも強く、お世辞抜きに全国ネットのバラエティ番組と同レベルの面白さを持っていた。
こうして「土曜だ!ぴょん」は、瞬く間に人気番組へと成長。その勢いは留まることを知らず、2001年12月には長野市で番組主催の太田プロダクション若手芸人ライブも行われた(MCの土田晃之さんの所属事務所)。
言うまでもなく、これはとんでもないこと。
番組の人気があっての芸人ライブ開催なので。
今となっては到底考えられないが、当時の「土曜だ!ぴょん」はそれほどまで影響力を持つローカル番組だったのである。
なお、「土曜だ!ぴょん」ファンは今現在でも数多く存在する。気になった方はTwitterで「土曜だぴょん」と検索してみてほしい。
土田晃之さんがいたからこそ実現した「どこまでも攻めるローカルバラエティ」
「土曜だ!ぴょん」の何がスゴイか。
それはローカル番組なのに攻めに攻めていたことだ。
ハッキリ言おう。長野県のローカル番組の多くは、お笑い要素がほぼない上に内容がきわめてソフト。早い話が、誰も傷つけない安全運転な番組を徹底しているのだ。
しかし「土曜だ!ぴょん」は格別だった。
土田晃之さんが好き放題やっていたこともあり、若者をほぼ笑いだけで取り込んだ(当時の私がそのひとり)。これは彼のカリスマ性と笑いのセンスがあったからこそである。(※土田晃之さんは後のインタビューで「(どよぴょんは)自由にやらせてもらっていた」と答えている)。
そして、新人ながらもお笑いセンスが抜群だった劇団ひとりさんの影響も大きい。
「どよぴょんくん」として各地を駆け巡り、ワールド全開の笑いでお茶の間を楽しませた。
つまり、土田さんと劇団ひとりさんがいたらからこそ、「土曜だ!ぴょん」は長野県で伝説のローカル番組となったのである。
「土曜だ!ぴょん」が面白かった理由
「土曜だ!ぴょん」が面白かった理由を整理すると、次の3つが挙げられる。
- ①:土田晃之さんがメインMCで自由に捌いていたこと
- ②:劇団ひとりさんの笑いがお茶の間をわかせたこと
- ③:番組ディレクターが土田さんらに多くの自由を与えていたこと
仮に別のお笑い芸人がMCを担当していたら、ここまで注目される番組にはなっていなかっただろう(別の世界線なんて想像もしたくないし、考えられない)。
土田さんと劇団ひとりさんという黄金タッグが実現したからこそ、である。
とにもかくにも、長野県のローカル番組のなかで攻めたバラエティものは、後にも先にも「土曜だ!ぴょん」だけだ。
出演者が「どよぴょん」をふりかえる(貴重なインタビュー全文)
長野放送開局50周年記念番組「土曜はこれダネッ!スペシャル」にて、当時の貴重なエピソードが土田晃之さんと劇団ひとりさんから語られた。
もうね、これは「どよぴょん」ファンにとったら感涙モノ。特に土田さんの「土曜だ!ぴょんがなかったら仕事をやめていた」というコメントは衝撃的である。
それででは2人が語った「どよぴょんエピソード」を掲載する(※ できるだけ原文だが要約はしているのでご了承願う)。
土田晃之さんがふりかえる「どよぴょん」
土田晃之さんからのメッセージ
土田さん「長野放送開局50周年おめでとうございます。あの頃は今みたいに仕事があるわけではなかったので、その際は本当に助かりました。あの頃はちょうど子供が2人いたのかな?2人目が生まれるかちょうどそんな時だったと思います。
土曜だ!ぴょんがなかったらね、この仕事はとっくにやめていたと思うので本当にありがとうございました。当時は長野(NBS)と東海テレビのこの2個だけだったので、これがなかったらホント(芸能界)辞めてたと思いますね。」
宮本アナ「じゃあ、芸能生活を救ったのが「土曜だ!ぴょん」だと言う…」
土田さん「いやいや、ホントにそうですそうです。マジでそうです、はい。」
宮本アナ「あらためて土田さんにとっての「どよぴょん」を振り返っていったら…」
土田さん「青春だった気がしますけどね。ホントに好きなことやらしていただきましたし、あと長い期間やらせていただきましたし。そこに劇団ひとりも有吉(有吉弘行さん)もお世話になりましたし、みんなそれぞれテレビで(その後活躍していった)。あの頃みんなテレビに出れていなかったので。・・・今、(長野で)がんばってるのは末吉くんですよね。」
宮本アナ「はい。」
土田さん「当時長野放送に行ったときは(末吉くんが)一言も喋ってなかったのでね、ほんとビンタしてやろうと思いましたけどね(笑)。これからは末吉をよろしくお願いします。」
引用:長野放送開局50周年記念番組「土曜はこれダネッ!スペシャル」
当時の土田晃之さんは確かに苦悩の日々を生きていた気がする。才能はあるのになかなかテレビに出られなくて、なんとかここ長野県の番組を掴んで…。
だからこのエピソードを聞いたときは驚愕した。
どよぴょんがキッカケになったかはわからないけど、現在はさまざまな番組に出演して大活躍中なので良かったなあと。
素直に嬉しい。
劇団ひとりさんがふりかえる「どよぴょん」
劇団ひとり(川島省吾)さんのメッセージ
宮本アナ「いやあ、今では大活躍なのは言うまでもありませんけども」
劇団ひとりさん「いやいやいや、とんでもございません。すべて「土曜だ!ぴょん」のおかげでございます、ええ。」
宮本アナ「もう一回言ってもらってよろしいですか?(笑)」
劇団ひとりさん「すべて「土曜だ!ぴょん」のおかげです。ありがとうございます。・・・大変でしたねあの頃はね。お昼くらいに現場に入って、で、夕方からの放送なんだけれども何にも決まっていない状態(苦笑)。で、中継先に行ってどうするか(笑)。でも、中継先が確か3ブロックくらいあったでしょ。」
宮本アナ「ええ、ええ(笑)。」
劇団ひとりさん「一番ヤバイときは1ブロック目やってるときに、まだ2ブロック目何するか決めてないみたいな。」
宮本アナ「そうそう(笑)。」
劇団ひとりさん「ホントにヒリヒリしましたね毎回。」
宮本アナ「あの綱渡り感はなかなかですよね(苦笑)。」
劇団ひとりさん「うん。でも、あの時の経験があるから今があると思いますよホントに。その場その場で何もないところから何かね、一筋の光を見つけてはそこをほじくりあげてって言うのは、あの時培ったものかもしれませんね。・・・あ、未だにですね、年に1回くらいはどよぴょん君見てましたって言われますからね。あれを見てた人はどうしてもそれを僕に伝えたいって思いがあるんでしょうね(笑)。」
宮本アナ「(笑)」
劇団ひとりさん「あれからね、ホント何回かね、長野放送であの・・・仕事させろって言ってるんですけど、あの・・・一向に声がかからないんですよね。」
宮本アナ「(笑)」
劇団ひとりさん「いや、僕は本当に(長野放送に)愛情を持ってますから。育ててもらったと思ってるんだから!是非また長野に呼んでください。50周年おめでとうございます。」
引用:長野放送開局50周年記念番組「土曜はこれダネッ!スペシャル」
どうやら中継先はとんでもなくエグいことになっていた模様。それでもお茶の間を笑わせていた劇団ひとりさんは見事としか言い様がないね。
そして忘れてはいけないのが宮本アナの存在(2人は定番タッグだったので)。2人だったからこそ乗り越えられたシーンもあったんじゃないかと思う。
【補足】実は番組に定着できなかった有吉弘行さん
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの有吉弘行さん。もはや誰もが知るお笑い芸人のひとりだが、そんな有吉さんも2ヶ月間だけ「土曜だ!ぴょん」に出演していた。
有吉弘行さんが番組に抜擢された理由は、劇団ひとりさんの降板。当時泣かず飛ばずだった彼にとっては再起のチャンスだったが、下ネタを連発しすぎたためか長野県民から受け入れられず直ぐクビに・・・。
その苦い思い出は今現在も強く残っているようで、後に定着した末吉くんを嫌っているらしい(苦笑)。
個人的には当時の有吉弘行さんもアリだったけど、さすがにディープすぎてレギュラーは無理だろうなと感じていた記憶アリ。まあ、誰からも好かれる人柄の末吉くんが定着しちゃうのは無理もない(汗)。
その後、長野県の土曜夕方の顔となった末吉くん
長野放送をはじめ長野県が土曜夕方の後継に選んだのは「末吉くん」。その選択は正解で、彼は「土曜はこれダネッ!」のレギュラーを2020年4月4日まで務め上げた。
とはいえ、「土曜だ!ぴょん」を知る者からすると、末吉の笑いは物足りなかった。がしかし、長野県民は彼の人柄の良さに引き込まれていく。さらに『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」優勝(ご存知、平泉成さんのモノマネ)が、存在を唯一無二のものとした。
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「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で優勝したピン芸人・末吉くんが芸能界から引退。その決断の裏にある思いを聞いた。#細かすぎて伝わらないモノマネ #平泉成 #石橋貴明 #末吉くん pic.twitter.com/GdNJkvlrqA
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) April 4, 2020
こうして長野放送の土曜夕方番組は、徐々に色を変えて末吉くんの優しさに特化。これはこれで長野県に適合し、後継番組「土曜はこれダネッ!」もまた素晴らしい番組へと成長した。
なお、末吉くんも「土曜だ!ぴょん」を伝説の番組として認識している1人だ。
末吉くん「先輩方(土田・劇団ひとり・有吉)は今でも伝説になっていて、我々後輩が「土曜だ!ぴょん」だ「どよぴょんだ」って言ってますからね。本当にありがたい番組ですよ。」
引用:長野放送開局50周年記念番組「土曜はこれダネッ!スペシャル」
「土曜だ!ぴょん」は、私たちファンが思っている以上にスゴイ番組だったのかもしれない。
末吉くんが番組を卒業した背景まとめ
【総括】一度だけでいい…どうか特番で帰ってきてくれまいか?
私は「土曜だ!ぴょん」を心から愛している。
復活させることはもう不可能だってわかっているけど、せめて一度だけでも特番として復活してくれないかな。番組が終わってから今現在までずっと期待しているのだよ・・・。
まあ、現実的に考えて実現が難しいのはわかってる。
だけど、どうしても諦めきれない。
あの強烈な思い出がそうさせるのだ。
ギャラ、スケジュール、需要などさまざまな問題があるけど、もし復活してくれたら私は泣いて喜んで弾けて飛ぶぜ?
NBS長野放送よ、どうか頑張ってくれまいか。
今日もまた、「土曜だ!ぴょん」の思い出を抱えて眠るとしよう。
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