ここ長野県にはいくつかの伝統工芸品・民芸品がある。
地域の特色を生かしたものから、古くから伝わるものまで様々。
当ブログでは長野県の特産物(農産物)と郷土料理を記事にしているが、今回は「長野県の○○をまとめてみた」シリーズの続編として、伝統工芸品と民芸品にフォーカスをあてる。
目次
飯山仏壇(国指定伝統的工芸)

飯山仏壇 / 信州いいやま観光局HPより
「飯山仏壇」は飯山市北部の愛宕町で年間約1000本生産される国指定伝統工芸品。
ルーツは1689年に寺瀬重高が作った「素地仏壇」と言われている。
現在、飯山市内の仏壇関係就業者は約150名。愛宕町は仏壇だけの商店街があり、全国を見ても非常に珍しい。
飯山仏壇の特徴は質の良い木材をふんだんに使い、全体に蒔絵(高蒔絵)が描いている点。金具と金箔という金色が仏壇の黒色と相まって、他にはないオリジナリティを醸し出ている。
内山紙(国指定伝統的工芸)

内山紙 / KOGEI JAPANより
内山紙(うちやまがみ / うちやまし)は長野県の奥信濃エリア(飯山市・中野市・栄村・木島平村・野沢温泉村)で作られている和紙。
奥信濃は豪雪地帯であることから冬にできる“副業”として、内山紙の紙漉(かみすき)技術が進歩したのだという。
内山紙の特徴は原料に「コウゾ(クワ科の植物)」を100%使用し、通気性と通光性に長け、その他和紙にくらべて強靭で保温力を持っている点だ。
木曽漆器(国指定伝統的工芸)

木曽漆器 / Wikipediaより
木曽漆器は木曽エリアで製造される国指定伝統工芸品。
時は1394年(室町時代初期)、現在の木曽郡木曽町に住んでいた塗師・加藤喜左衛門が、「富田山籠源寺」に漆器を納めたことがはじまりという説がある(発祥は木曽福島らしい)。
特徴は丈夫で美しく、さまざまな種類があること。
また、以下の技法から造られる。
- 木曽春慶(きそしゅんけい)…厳選した良質材に下地付けを行わず最初から漆を摺り込み、木質部まで漆を染み込ませる
- 木曽堆朱(きそついしゅ)…型置き漆の上に幾層もの色漆を塗り込み、研ぎ出しにより斑模様を表現する
- 塗り分け呂色塗(ぬりわけろいろぬり)…異なる数種類の色漆を幾何学模様を加飾し、塗り分ける
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信州打刃物(国指定伝統的工芸)

信州打刃物 / 信州打刃物工業協同組合HPより
信州打刃物は鎌やくわなどの農具や包丁で有名な国指定伝統工芸品。
武田信玄と上杉謙信が戦った川中島合戦時、里人がいつでも刀剣などの修理をできるよう移住してきた鍛冶職人から鍛治を習い、その技法が伝承されていった。
特徴は切れ味に優れ、使いやすさと耐久性を備えていること。
主に農具・山林用具、鎌、包丁が有名である。
松本民芸家具(国指定伝統的工芸)

松本民芸家具 / 松本民芸家具HPより
松本民芸家具は松本市で製造される味と深みのある和風洋家具。
大正時代末期、松本市で造られた家具は日本一の和家具として生産されていた(300年以上もの歴史がある)。しかし、太平洋戦争後に衰退。昭和23年、柳宗悦の「新作民芸運動」によってに松本民芸家具の製作が再始動した。
特徴は洗練された美しいデザイン(和風洋家具)をはじめ、経年によって深みをます無垢の素材を使っていること。
南木曽ろくろ細工(国指定伝統的工芸)

南木曽ろくろ細工 / KOGEI JAPANより
南木曽ろくろ細工は長野県木曽郡南木曽町エリアで作られている木工品。
誕生は18世紀前半と呼ばれている。
ろくろ細工は独自の手法を用いているため、誰でも習得できるわけではない。言うまでもなく高度な技術が必要となり、その上で木を知り尽くしていなければ作り出すことができない。
特徴は美しい木目をそのまま堪能できる点。
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